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Shopify:CVRが低い原因はどこにある?ボトルネックを発見するための分析手法

目次
  1. はじめに:CVRは「結果」であって「原因」ではない
  2. 1. ShopifyにおけるCVRと基本ファネルを整理する
  3. 2. Step0:まず「全体CVR」とファネルの現状を把握する
  4. 3. Step1:ファネル分析で「どのステップが一番落ちているか」を特定する
  5. 4. ステージ別:ボトルネックを見つける具体的な分析手法
  6. 5. セグメント分析で「誰が」ボトルネックにはまっているかを知る
  7. 6. 実践テンプレ:CVRが低いと感じた時にやる分析フロー
  8. 7. よくある落とし穴:CVR分析で気をつけたいポイント
  9. まとめ:CVRが低いときは、「数字を割る」のが第一歩

はじめに:CVRは「結果」であって「原因」ではない

ShopifyでECサイトを運営していると、つい「CVR(コンバージョン率)が低い=LPが悪い」「広告が悪い」といった表面的な原因に飛びつきがちです。
しかし実際には、CVRは 「セッション → 商品閲覧 → カート → チェックアウト → 購入」 というファネル全体の結果を1つの数字に圧縮したものに過ぎません。

CVRを本当に改善したいなら、

  • どのステップで、どれくらいユーザーが落ちているのか
  • そのステップで、なぜユーザーが離脱しているのか

を丁寧に分解し、ボトルネック(最も詰まっている箇所)を見つける必要があります。

この記事では、Shopifyストアを対象に、

  • CVRが低い時に必ず見るべきファネルの分解方法
  • ステージごとに使える具体的な分析手法
  • ボトルネック別のチェックポイントと改善のヒント

を体系的に解説します。

1. ShopifyにおけるCVRと基本ファネルを整理する

1-1. Shopifyの「オンラインストアコンバージョン率」とは

まず前提として、Shopify管理画面のアナリティクスに表示される 「オンラインストアコンバージョン率」 の中身を整理しておきましょう。

一般的な定義は、

CVR(%)=「購入に至ったセッション数」 ÷ 「全セッション数」 × 100

です。Shopifyではこれを「注文に至ったセッションの割合」として扱い、

  • カートに商品を追加したセッション(Add to cart)
  • チェックアウトに進んだセッション(Reached checkout)
  • 購入に至ったセッション(Sessions converted)

という3ステップで分解して表示してくれます。

つまり、ShopifyのCVRは「最後のステップの数字」であり、その手前に 「カート投入率」「チェックアウト到達率」 といった中間指標があるイメージです。

1-2. ECファネルの全体像をイメージする

CVRのボトルネックを探すときは、次のファネルを頭に置いておくと整理しやすくなります。

  1. セッション(サイト訪問)
  2. 商品ページ閲覧(view_item)
  3. カート投入(add_to_cart)
  4. チェックアウト開始(begin_checkout / reached checkout)
  5. 購入(purchase)

CVRが低い=上記のどこかで大きく落ちている、ということです。
Shopifyの標準レポート+GA4(Google Analytics 4)を組み合わせると、
上記5ステップをかなり細かく追えるようになります。

2. Step0:まず「全体CVR」とファネルの現状を把握する

2-1. 期間を決めて数値を固定する

「なんとなく最近売れていない気がする」という状態で分析を始めると、
感覚に引きずられてしまいます。まずは、

  • 直近30日(トラフィックが少ない場合は60〜90日)

など、分析対象の期間を決めてしまいましょう。

そのうえで、Shopifyのアナリティクスで

  • オンラインストアコンバージョン率
  • カートに追加したセッション
  • チェックアウトに進んだセッション
  • 購入に至ったセッション

を確認し、「セッション → カート → チェックアウト → 購入」のどこで落ちているかをざっくり押さえます。

2-2. セグメントで見る(デバイス・チャネル・新規/リピーター)

同じCVRでも、内訳を分けて見ると印象がガラッと変わります。まずは最低限、

  • デバイス別(モバイル / デスクトップ)
  • チャネル別(検索 / 広告 / SNS / メール / LINE など)
  • 新規顧客 / リピーター

に分けて数字を見てみましょう。

例えば、

  • 全体CVR:2.0%
  • PC:3.5%、スマホ:1.2%

という結果なら、「スマホのどこかに大きなボトルネックがある」と仮説を立てられます。
逆に「広告流入のCVRだけ極端に悪い」なら、集客の質が疑わしいかもしれません。

3. Step1:ファネル分析で「どのステップが一番落ちているか」を特定する

3-1. Shopifyのコンバージョンファネルを見る

Shopify管理画面の「アナリティクス > ダッシュボード」には、

  • カートに追加したセッションの割合
  • チェックアウトに進んだセッションの割合
  • 購入に至ったセッションの割合

が表示されるコンバージョンファネルがあります。
ここで大まかな

  • セッション → カート
  • カート → チェックアウト
  • チェックアウト → 購入

の変化率を確認します。

一般的なECのベンチマークを見ると、

  • カート投入率(Add to cart rate):おおよそ 5〜10%前後
  • カート → 購入完了までの完了率:40〜60%前後

といったレンジが一つの目安とされています。
自社の数値がこれより明らかに低いステップがあれば、そこがボトルネック候補です。

3-2. GA4の「ファネル探索」で各ステップの離脱率を確認する

Shopifyのファネルはシンプルなので、さらに深掘りしたいときはGA4のファネル探索を使います。

  1. GA4左メニュー「探索」→「ファネル探索」を作成
  2. 次のようなステップを設定:
    • ① セッション開始(session_start)
    • ② 商品閲覧(view_item)
    • ③ カート投入(add_to_cart)
    • ④ チェックアウト開始(begin_checkout)
    • ⑤ 購入(purchase)
  3. ステップごとの遷移率・離脱率を確認

このファネルで、

  • 「商品閲覧までの到達率」が低い → 集客・LP・回遊導線の問題
  • 「商品閲覧 → カート」が低い → 商品ページの訴求・情報量の問題
  • 「カート → チェックアウト」が低い → 送料・在庫・UIの問題
  • 「チェックアウト → 購入」が低い → 支払い方法・フォームUX・信頼要素の問題

といったように、仮説の方向性が絞れてきます。

4. ステージ別:ボトルネックを見つける具体的な分析手法

4-1. ステージA:セッション → 商品閲覧(ランディング&回遊)

このステージでの課題は、 「来たはいいけど、すぐ帰ってしまう」状態です。

見るべき指標とレポート例:

  • GA4「ランディングページ」レポート
    • 直帰率・エンゲージメント時間が極端に悪いページはないか
    • 特定の広告LPだけ離脱が多くないか
  • チャネル別の直帰率
    • ディスプレイ広告やSNS広告からの流入だけ直帰率が高い→期待値と中身のギャップ
  • サイト速度・モバイルUX
    • 表示が遅くて離脱していないか
    • モバイルでファーストビューに商品や訴求が見えているか

ここがボトルネックの場合、

  • 広告の訴求とLPの内容を揃える(タイトル・クリエイティブ)
  • ファーストビューで「誰の・何の課題を解決する商品なのか」を明確に書く
  • カテゴリページや特集ページへの導線をわかりやすく配置する

などの施策が有効です。

4-2. ステージB:商品閲覧 → カート投入(商品ページ)

このステージが弱いときは、 「商品ページまでは来るが、カートに入らない」状態です。

見るべき指標とレポート例:

  • Shopifyの商品レポート
    • 商品別の閲覧数と売上を並べて見て、「閲覧は多いが売れていない商品」を特定
  • GA4のイベント(view_item・add_to_cart)
    • 代表商品の「商品閲覧 → カート」のCVRを計測
  • スクロール深度・クリックヒートマップ(外部ツール)
    • 商品説明やレビューまでユーザーが到達しているか

よくある原因:

  • 写真が少ない・質が低く、使用イメージが湧かない
  • 説明文がスペック中心で、ベネフィット(得られる変化)が伝わっていない
  • サイズ・原材料・返品条件など、ユーザーが知りたい情報が見当たらない
  • 価格と価値のバランスが分かりにくく、比較検討の材料が足りない

対策としては、

  • 写真を「商品カット+使用シーン+サイズ感比較」まで増やす
  • 「この商品は◯◯な人の、◯◯という悩みをこう解決します」とベネフィットを冒頭に入れる
  • よくある質問(Q&A)を商品ページ内に設置して不安を潰す
  • レビューをファーストビュー付近に移動して「他の人も買っている安心感」を出す

といった情報設計の見直しが効果的です。

4-3. ステージC:カート → チェックアウト(カートページ)

カートまで入っているのにチェックアウトに進まない場合は、 「最後の一歩をためらわせる何か」が潜んでいます。

見るべき指標とレポート例:

  • Shopifyの「カゴ落ち」データ(放棄チェックアウト)
  • GA4ファネル探索:add_to_cart → begin_checkout
  • カートページの直帰率・離脱率

よくある原因:

  • 送料や手数料がカート画面に表示されず、「この先いくらになるか分からない」
  • 「あと◯◯円で送料無料」が分かりにくい/表示されていない
  • カート画面で余計なリンクが多く、ユーザーが他ページへ迷子になる

対策例:

  • カート画面で概算送料や合計金額を明示する
  • 「あと◯◯円で送料無料」の表示と、関連商品リストを表示する
  • カート画面から他ページへのリンクを必要最小限に絞る

4-4. ステージD:チェックアウト → 購入完了(決済フロー)

最後のステージがボトルネックになっている場合、 「買う気はあるのに、フォームがつらい」 という状況になっていることが多いです。

見るべき指標とレポート例:

  • Shopifyのチェックアウト完了率
  • GA4ファネル:begin_checkout → add_payment_info → purchase

よくある原因:

  • 入力項目が多すぎる・モバイルで入力しづらい
  • 支払い手段が限られている(クレジットカードのみ 等)
  • エラー表示が分かりづらく、どこを直せばよいか分からない
  • SSL・セキュリティ・運営会社の情報が弱く、「本当に大丈夫?」という不安が残る

対策例:

  • Shopifyの「Shop Pay」「Apple Pay」「Google Pay」などクイック決済を有効化
  • 必須項目を最小限に削減する(社名・FAXなど不要な項目は外す)
  • 「安全な決済」「返品ポリシー」などの安心材料をチェックアウト画面にも表示

5. セグメント分析で「誰が」ボトルネックにはまっているかを知る

5-1. デバイス別:スマホCVRが著しく低くないか

多くのECで、 「モバイルのセッションは多いが、CVRはPCの半分以下」 という状況が起こりがちです。

  • モバイルでの表示速度が遅い
  • ボタンが小さくて押しづらい・フォーム入力が大変
  • 商品写真が見にくい・テキストが詰まりすぎている

こうした要因が重なると、「カートまでは行くが、最後まで買わない」ユーザーが増えます。
GA4やShopifyでデバイス別のファネルを見て、モバイルで特定ステップが沈んでいないか確認しましょう。

5-2. チャネル別:広告・SNS・検索でCVRに差がないか

チャネル別に見たときに、

  • 自然検索・指名検索 → CVRが高い
  • ディスプレイ広告やSNS広告 → CVRが極端に低い

というパターンはよくあります。

この場合、「期待値と実際のLP内容がズレている」ことが多いです。

  • 広告で「激安」「最短当日発送」を強く打ち出しているのに、LPにはその情報が弱い
  • ターゲティングが広すぎて、そもそも「今すぐ買う人」がほとんど来ていない

チャネル別CVRを見ながら、 「誰に向けた広告なのか」「LPはその人に刺さる内容になっているか」 を再チェックしましょう。

5-3. 新規 vs リピーター:どちらで落ちているか

一般的には、リピーターの方がCVRは高くなります
もし「新規CVRが極端に低い」場合は、

  • 初見の人にとって信頼・安心材料が不足している
  • 商品やブランドの理解に必要な情報が足りない

などの可能性があります。
逆に「リピーターのCVRが伸びていない」場合は、

  • メルマガ・LINEなどでの再来訪導線が弱い
  • リピート特典や定期便など、再購入を促す仕組みがない

といった、CRM側のボトルネックを疑う必要があります。

6. 実践テンプレ:CVRが低いと感じた時にやる分析フロー

6-1. フロー全体のステップ

「なんとなくCVRが低い気がする」と感じたときに、毎回同じ手順でチェックできるよう、
シンプルな分析フローのテンプレートを用意しておきましょう。

  1. 期間を決める(直近30〜90日)
  2. 全体CVRと、デバイス・チャネル・新規/リピーター別CVRを確認
  3. Shopifyのコンバージョンファネルで、どのステップが一番落ちているかを特定
  4. GA4ファネル探索で、同じステップをより細かく確認
  5. 疑わしいステージごとのレポート(商品レポート・ランディングページ・放棄チェックアウトなど)で深掘り
  6. 原因の仮説を3つ程度に絞り、次の1〜2週間で試す改善案を決める

6-2. 週次・月次のルーティンに組み込む

単発で分析して終わりにしないために、

  • 週次:チャネル別・デバイス別CVRとファネルのざっくり確認
  • 月次:ボトルネックステージの見直し+改善施策の結果評価

をルーティン化するのがおすすめです。
「毎週◯曜日の午前中はCVRチェックの時間」と決めてしまうと継続しやすくなります。

7. よくある落とし穴:CVR分析で気をつけたいポイント

7-1. トラフィックが少なすぎて数値がブレている

1日のセッションが数十〜数百程度しかない場合、
CVRはちょっとした注文の増減で大きく振れてしまいます。

  • 最低でも500セッション以上、できれば1,000セッション以上を1つの分析単位にする
  • 流入が少ない場合は、30日ではなく60〜90日単位で見る

といった工夫をして、「たまたま」ではなく「傾向」を捉えるようにしましょう。

7-2. 全体CVRだけを見て、どこが悪いかを決めつける

「CVRが1%だからLPが悪い」「広告が悪い」といった決めつけは危険です。
必ず、

  • ファネルごとの数値(セッション → カート → チェックアウト → 購入)
  • デバイス別・チャネル別・新規/リピーター別

で分解してから、改善のターゲットを決めましょう。

7-3. ベンチマークを鵜呑みにし、事業モデルの違いを無視する

「平均CVR3%」などのベンチマークは参考になりますが、

  • 単価が高い/検討期間が長い商材
  • ブランド指名検索が多いストア
  • リピート前提のサブスク型ビジネス

など、事業モデルによって「適正なCVR」は変わります。
ベンチマークはあくまで 「自社の現状を相対的に見るための物差し」 として使い、最終的には自社のLTV・利益構造と照らし合わせて目標を決めることが大切です。

まとめ:CVRが低いときは、「数字を割る」のが第一歩

本記事では、 「Shopify:CVRが低い原因はどこにある?ボトルネックを発見するための分析手法」 として、

  • ShopifyにおけるCVRと、基本となるECファネルの整理
  • 全体CVRをデバイス・チャネル・新規/リピーターで分解する方法
  • ShopifyのコンバージョンファネルとGA4ファネル探索を使ったボトルネック特定
  • 各ステージ(ランディング・商品ページ・カート・チェックアウト)の具体的な分析手法
  • セグメント分析を通じて「誰が」「どこで」落ちているかを把握する方法
  • 実践的な分析フローと、よくある落とし穴

を解説しました。

CVRが低いと感じたときにやるべきことは、 「CVRを眺めること」ではなく、「CVRを分解して、ボトルネックを特定すること」 です。

まずは、

  1. 直近30〜90日の期間を決める
  2. 全体CVRをセグメント(デバイス・チャネル・新規/リピーター)で分解する
  3. ShopifyとGA4のファネルで「一番落ちているステップ」を見つける
  4. そのステップに対して、1〜2週間で試せる改善施策を1つ決める

という流れから始めてみてください。
このサイクルを繰り返していくことで、CVRは「なんとなく上がってほしい数字」から、
「設計と分析によって、意図的に改善できる数字」へと変わっていきます。

株式会社AO 吉川悠太

株式会社AO 吉川悠太

岡山県生まれ。一橋大学を卒業後、株式会社ツムラに入社。10年間、営業・Web集客・AI開発を経験。2024年、EC制作・集客の株式会社AOを創業。

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