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Shopify:「行動レポート」でサイト内でのユーザーの動きを理解する

目次
  1. はじめに:アクセス数だけ見ても「なぜ売れないか」は分からない
  2. Shopify「行動レポート」とは?
  3. ファネルを可視化する「Conversion rate breakdown」
  4. 「Conversion rate over time」で施策の前後を検証する
  5. 「Web performance / オンラインストア速度」で体験とSEOを改善
  6. レコメンドと検索から「探し方のクセ」を理解する
  7. 「Sessions by landing page」で入口ページを最適化する
  8. 「Sessions by device」でデバイスごとの体験をチェック
  9. 行動レポートを実務で活かす4ステップ
  10. GA4やヒートマップとの組み合わせも有効
  11. まとめ:行動レポートで「なんとなく改善」を卒業しよう

はじめに:アクセス数だけ見ても「なぜ売れないか」は分からない

ShopifyでECサイトを運営していると、
「アクセス数は見ているけれど、どこで離脱しているのか・どのページが効いているのかまでは分からない」
という状態になりがちです。

そんなときに頼りになるのが、Shopifyの「行動レポート(Behavior reports)」です。行動レポートは、

  • カート投入〜購入までのファネルのどこで離脱しているか
  • サイト内検索で、どんなキーワードが使われているか
  • どのランディングページから入ってきているか
  • PC・スマホなど、どのデバイスで見られているか
  • ページ速度やCore Web Vitalsなど、表示パフォーマンスがどうなっているか

といった「サイト内でのユーザーの動き」を可視化してくれるレポート群です。:contentReference[oaicite:0]{index=0}

この記事では、中小企業やD2Cブランドの担当者向けに、Shopify「行動レポート」の種類・見方・具体的な活用方法を整理して解説します。

Shopify「行動レポート」とは?

行動レポートで分かること

Shopifyのヘルプでは、行動レポートについて次のように説明しています。
「顧客の購買行動を理解し、オンライン/オフラインでのマーケティング・アップセル・プロモーション・平均注文額の改善に役立つ」レポート群です。:contentReference[oaicite:1]{index=1}

行動レポートには、主に以下のような種類があります。

  • Conversion rate breakdown(コンバージョン率ブレイクダウン)
  • Conversion rate over time(コンバージョン率の推移)
  • Web performance reports / Online store speed(Webパフォーマンス・オンラインストア速度)
  • Product recommendation conversions over time(レコメンドのコンバージョン)
  • Product recommendations with low engagement(レコメンドが効いていない商品)
  • Searches by search query / Searches with no clicks / Searches with no results(検索キーワード関連)
  • Search conversions over time(検索からのコンバージョン)
  • Sessions by landing page(ランディングページ別セッション)
  • Sessions by device(デバイス別セッション)

これらを組み合わせて見ることで、「ユーザーがどのページから入り、どこを見て、どこで離脱・購入しているのか」を立体的に理解できます。:contentReference[oaicite:2]{index=2}

行動レポートへのアクセス方法

行動レポートは、管理画面から次の手順で表示できます。:contentReference[oaicite:3]{index=3}

  1. Shopify管理画面で「Analytics(分析)」→「Reports(レポート)」をクリック
  2. レポート一覧上部の「Category(カテゴリ)」フィルタをクリック
  3. 「Behavior(行動)」を選択

これで、「行動」カテゴリに属するレポートだけがリストアップされます。

セッション系データの注意点:2022年10月以降のみ

Shopifyの仕様として、セッションベースの指標の履歴データは2022年10月1日以降のみ利用可能という注意書きがあります。:contentReference[oaicite:4]{index=4}

対象となる指標の例:

  • Sessions(セッション)
  • Pageviews(ページビュー)
  • Add to cart rate(カート追加率)
  • Conversion rate(オンラインストアのコンバージョン率)
  • Sessions with cart additions / reached checkout / completed checkout など

古い期間と比較しようとして「データが出てこない」ということがあるので、期間設定は必ず確認しておきましょう。

ファネルを可視化する「Conversion rate breakdown」

このレポートで分かること

Conversion rate breakdownは、訪問〜カート追加〜チェックアウト〜購入までの流れをファネル形式で可視化するレポートです。:contentReference[oaicite:5]{index=5}

ファネルは通常、次の4ステップで構成されています。

  1. All sessions(すべてのセッション)
  2. Sessions with cart additions(カート追加があったセッション)
  3. Sessions that reached checkout(チェックアウト画面に到達したセッション)
  4. Sessions that completed checkout(購入完了したセッション)

各ステップごとに「このステップまで到達した割合」「ここで離脱した割合」が見えるため、
「どこで最もユーザーを落としているか」を一目で把握できます。

オープンファネルとクローズドファネル

行動レポートでは、ファネルの表示を「Open / Closed」で切り替えられます。:contentReference[oaicite:6]{index=6}

  • Open funnel:途中からファネルに入ってきたセッションも含める
  • Closed funnel:「カート追加 → チェックアウト → 購入」と正しい順序で進んだセッションだけをカウント

実務的には、

  • Open:全体の傾向をざっくり掴む用
  • Closed:ECの理想的な導線の中でどこに問題があるかを見る用

というイメージで使い分けると分かりやすいです。

よくあるボトルネックと打ち手

  • 「カート追加」が極端に少ない
    → 商品ページの訴求(写真・レビュー・説明文・CTAボタン)を見直す。関連商品・セット販売の導線を強化する。
  • 「チェックアウト到達」が少ない
    → カート画面での送料表示・クーポン入力欄・余計な離脱導線(他ページへのリンク)を整理する。
  • 「購入完了」が少ない
    → 決済手段の不足・入力フォームの長さ・エラー表示の分かりにくさなど、チェックアウトUIを見直す。

単に「コンバージョン率が低い」ではなく、
「どのステップで落としているか」まで分解して改善施策を考えられるのが、このレポートの最大の価値です。

「Conversion rate over time」で施策の前後を検証する

レポートの構造

Conversion rate over timeは、指定した期間におけるコンバージョン率の推移をグラフと表で表示するレポートです。:contentReference[oaicite:7]{index=7}

主な列:

  • Time grouping(日/週/月など)
  • Sessions(セッション数)
  • Sessions with cart additions
  • Sessions that reached checkout
  • Sessions that completed checkout
  • Conversion rate(セッション→購入のコンバージョン率)

「ファネルの数字を時間軸に並べたもの」とイメージすると分かりやすいです。

改善の効果検証に使う

例えば、

  • 商品ページのLPを全面リニューアルした
  • 送料の表示方法を変えた
  • クーポン施策を開始した

といったタイミングで、前後1〜2ヶ月のコンバージョン率の推移を「Month」や「Week」単位で確認します。

ポイントは、

  • 「セッション数が増えたから売上が増えた」のか
  • 「コンバージョン率が上がったから売上が増えた」のか

を切り分けて判断することです。
コンバージョン率が改善していれば、施策そのものの質が向上したと評価しやすくなります。

「Web performance / オンラインストア速度」で体験とSEOを改善

Core Web Vitalsに基づくWebパフォーマンスレポート

Shopifyでは、行動レポートの中にWeb performance reportsが用意されており、
Googleが定義するCore Web Vitals(LCP・INP・CLS)ベースでページ速度や安定性を評価できます。:contentReference[oaicite:8]{index=8}

  • Largest Contentful Paint(LCP):「一番大きなコンテンツ」が表示されるまでの時間
  • Interaction to Next Paint(INP):操作に対するレスポンスの速さ
  • Cumulative Layout Shift(CLS):レイアウトのガタつき具合

これらを、

  • 時間の推移(over time)
  • ページURL別
  • ページタイプ別

に確認することができます。:contentReference[oaicite:9]{index=9}

オンラインストア速度レポートの役割

Shopifyは2020年以降、管理画面からアクセスできるOnline store speed reportを提供しており、
自ストアの速度が他のShopifyストアや業界平均と比べてどうかを確認できるようになっています。:contentReference[oaicite:10]{index=10}

ページ速度は、

  • ユーザー体験(遅い→離脱・イライラ)
  • コンバージョン率(遅いほどCVRが下がるという調査が多数)
  • SEO評価(Googleもランキング要因として使用)

に直結するため、売上・集客の両方に効いてくる指標です。

よくある改善アクション

  • 画像の圧縮・WebPなど軽量フォーマットへの変更
  • 不要なアプリ・スクリプト・トラッキングコードの削除
  • ホームページや主要LPの構成をシンプルにして初期読み込みを軽くする
  • 動画は自動再生を避け、必要に応じて遅延読み込みする

行動レポートのWebパフォーマンスを定期的に確認しながら、
「速度スコアが悪いページ」から優先的に改善していくと効率的です。

レコメンドと検索から「探し方のクセ」を理解する

Product recommendation conversions over time

Shopifyの純正レコメンド機能(「こちらの商品もおすすめ」「関連商品」など)を利用している場合、
Product recommendation conversions over timeレポートで、その効果をファネル形式で把握できます。:contentReference[oaicite:11]{index=11}

主な指標:

  • Sessions(レコメンドが表示されたセッション数)
  • Sessions with clicks(レコメンドをクリックしたセッション数)
  • Sessions with add-to-carts(レコメンド商品がカートに入ったセッション数)
  • Sessions with purchases(レコメンド商品が購入されたセッション数)
  • Click rate / Add-to-cart rate / Purchase rate

このレポートを使うと、

  • レコメンド自体が見られていない(クリック率が低い)
  • クリックされているが、カート投入・購入まで繋がっていない

といったボトルネックが分かり、
「どの商品をおすすめ枠に出すべきか」「レコメンドの場所・デザインを変えるべきか」の判断材料になります。

Product recommendations with low engagement

Product recommendations with low engagementは、
よく売れているのに「レコメンドのクリック率が平均より低い」商品を洗い出すレポートです。:contentReference[oaicite:12]{index=12}

このレポートから、

  • ユーザーには人気だが、関連商品の見せ方がイマイチな商品
  • レコメンド枠の画像・文言を工夫することで売上を伸ばせそうな商品

などを特定し、Search & Discoveryアプリなどでレコメンド内容をチューニングしていくと効果的です。

サイト内検索レポート群

行動レポートには、サイト内検索に関するレポートも複数用意されています。:contentReference[oaicite:13]{index=13}

  • Searches by search query:ユーザーが実際に入力した検索キーワードと回数
  • Searches with no clicks:結果は出たが、どれもクリックされなかった検索語
  • Searches with no results:検索しても結果が1件も出なかった検索語
  • Search conversions over time:検索→クリック→カート→購入までのコンバージョンの推移

活用のポイント

  • よく検索されるキーワード:
    → 専用LPや特集ページを作る/商品タイトル・説明にその語を入れる。
  • 「no clicks」になっているキーワード:
    → 結果は出ているが魅力的な商品が出ていない可能性。画像・価格・タイトルを見直す。
  • 「no results」になっているキーワード:
    → ユーザーが求めているのに商品がない領域。
    └ 新商品企画・仕入れのヒントにする/同義語や言い換えをサポートする。

サイト内検索は「お客様が自分の言葉でニーズを教えてくれる場」なので、
行動レポートで定期的にチェックし、商品開発やコンテンツ施策に活かすのがおすすめです。

「Sessions by landing page」で入口ページを最適化する

ランディングページ別セッションとは

Sessions by landing pageレポートは、
「ユーザーが最初にアクセスしたページ」ごとのセッション数を表示します。:contentReference[oaicite:14]{index=14}

例えば、

  • ホームページ
  • ブログ記事
  • 特定商品の商品ページ
  • 広告専用LP

といったページが、実際にどれくらい「入口」として機能しているかが分かります。

SEO・広告・SNSの「入口」を見極める

このレポートを活用すると、

  • SEOで上位表示されている記事からの流入
  • SNSからリンクしているLPからの流入
  • 広告で配信しているランディングページからの流入

「どれがどれくらいユーザーを連れてきているか」を把握できます。

さらに、売上レポート(商品別売上・チャネル別売上)と組み合わせることで、

  • アクセスは多いが売上につながっていない入口ページ
  • アクセスは少ないが購入率が高い入口ページ

といった「改善余地の大きいページ」を特定できます。

「Sessions by device」でデバイスごとの体験をチェック

デバイス別セッションで分かること

Sessions by deviceレポートでは、
スマホ/タブレット/デスクトップなど、どのデバイスからのアクセスが多いかを確認できます。:contentReference[oaicite:15]{index=15}

スマホ比率が高いストアが多いため、
「PCで見ても問題ないからOK」ではなく、スマホでの使い心地を前提に設計する必要があります。

デバイス別の改善アクション例

  • スマホ比率が高いのに、CVRが低い:
    → スマホのファーストビューで商品が見えているか/ボタンが押しやすいか/フォームが長すぎないかを確認。
  • PC比率が高い業務用商材:
    → デスクトップでの閲覧を前提に、表や仕様情報を見やすく設計。スマホは「問い合わせ・カタログ請求」をメインにするなど役割分担。
  • タブレットからのアクセスが特定の時間帯に多い:
    → 店舗内のタブレット設置、展示会・イベント会場からのアクセスなど、オフラインとの関係を仮説立てする。

行動レポートを実務で活かす4ステップ

ステップ1:最初に「知りたい問い」を決める

レポートを開く前に、「何を知りたいのか?」を1文で決めておくと迷いません。

  • カゴ落ちが多いが、どのステップで離脱しているのか?
  • 最近リニューアルしたLPは、入口として機能しているのか?
  • サイト内検索は、ちゃんとユーザーが求める商品を返せているのか?

ステップ2:期間と比較対象を決める

次に、

  • どの期間を見るか(直近30日・今月・キャンペーン期間など)
  • 何と比較するか(前月・前年同月・施策前後など)

を決めます。
行動レポートは「変化を見る」ことで価値が出るので、比較軸は必須です。

ステップ3:ファネル → 検索 → ランディング → デバイスの順に見る

おすすめの流れは、

  1. Conversion rate breakdown / over timeで全体のファネル状況を把握
  2. Search関連レポートで「ユーザーの探し方」を理解
  3. Sessions by landing pageで入口ページを確認
  4. Sessions by device / Web performanceで体験面のボトルネックを確認

という順番です。
上から順に見ていくと、「どこに一番インパクトの大きな改善余地があるか」が見えやすくなります。

ステップ4:必ず「1つのアクション」に落とす

最後に、分析から得られた示唆をもとに、最低1つは具体的なアクションを決めましょう。

  • カート離脱が多い → カート画面の送料表示とCTAボタンを改善する
  • 検索「〇〇」からの離脱が多い → そのキーワード向けの商品を強化・見直す
  • スマホの速度スコアが悪い → 画像の圧縮と不要アプリの削除を行う

「毎週1回、行動レポートを見て1アクション決める」だけでも、半年後にはストアの体験が大きく変わります。

GA4やヒートマップとの組み合わせも有効


Shopifyの行動レポートだけでも多くの示唆が得られますが、

  • ページ遷移の詳細(どのページからどのページへ移動したか)
  • ページ内のクリック位置やスクロールの深さ

など、さらに細かい動きを見たい場合は、
Googleアナリティクス(GA4)やヒートマップツールを併用するとより立体的な分析ができます。:contentReference[oaicite:16]{index=16}

役割のイメージ:

  • Shopify行動レポート:ECに特化したファネル・検索・レコメンド・速度などの「要点」を見る
  • GA4・ヒートマップ:ページ単位の詳細な動線・クリック位置・スクロールなどを深掘り

まとめ:行動レポートで「なんとなく改善」を卒業しよう

Shopifyの「行動レポート」を使うと、

  • どのステップで最も離脱しているのか(ファネル)
  • ユーザーが何を探し、どこで諦めているのか(検索)
  • どのページが入口として効いているのか(ランディングページ)
  • どのデバイス向けの体験に課題があるのか(デバイス別・速度)

といった「サイト内のリアルな動き」を把握できます。:contentReference[oaicite:17]{index=17}

アクセス数や売上の数字だけ眺めていても、具体的な改善アクションは生まれにくいものです。
ぜひ、

  • 週1回、行動レポートを開く
  • 1つの問いを決めて数字を見る
  • そこから1つの改善アクションを実行する

というサイクルを習慣化して、
「なんとなくの勘」ではなく、「ユーザーの実際の行動」に基づいたShopify運営に切り替えていってください。

株式会社AO 吉川悠太

株式会社AO 吉川悠太

岡山県生まれ。一橋大学を卒業後、株式会社ツムラに入社。10年間、営業・Web集客・AI開発を経験。2024年、EC制作・集客の株式会社AOを創業。

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