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Adobe Campaign Standard(ACS)完全ガイド 第4章:Audiences(オーディエンス)完全解説

メール成果を左右するセグメント設計の考え方

Adobe Campaign Standard(ACS)の運用において、多くの担当者が最初に誤解するポイントがあります。

それは、

「良いメールを作れば成果が出る」

という考え方です。

実際には、

成果 = 誰に × 何を × いつ届けるか

で決まります。

つまり、

メール本文よりも
配信対象の設計

の方が重要なのです。

本章では、ACSのAudiences(オーディエンス)機能について、基本操作だけでなく、成果を出すためのセグメント設計の考え方まで詳しく解説します。


Audiencesとは何か?

Audiencesとは、

配信対象として抽出された顧客グループ

です。

前章で解説したProfilesから条件に合致する顧客を抽出し、配信対象として利用します。

イメージとしては、

Profiles = 顧客データベース

Audiences = 配信リスト

です。


具体例

全会員

100万人

女性会員

50万人

購入者

20万人

VIP会員

3万人

Audience作成

という流れになります。


なぜAudience設計が重要なのか?

同じメールでも、

送る相手によって成果が大きく変わります。

例えば化粧品ECの場合


パターン①

全会員

100万人

に送信

開封率

18%

CTR

1.8%


パターン②

過去60日以内購入者

20万人

に送信

開封率

35%

CTR

6.5%


メール内容は同じでも結果が大きく変わります。

つまり、

メール改善より
ターゲティング改善

の方がインパクトが大きいケースが多いのです。


Audience作成画面を開く

ACS左メニュー

Audiences

Create

を選択します。

ここから新しいAudienceを作成できます。


Audienceの種類

ACSには複数のAudience作成方法があります。


List Audience

固定リスト


展示会参加者

イベント参加者

VIP顧客


Query Audience

条件抽出型


東京都在住

かつ

女性

かつ

購入履歴あり


実務ではQuery Audienceを最も利用します。


Query Audienceの考え方

実際の業務では、

「条件を組み合わせて顧客を抽出する」

ことになります。


女性

AND

20代

AND

東京都

AND

購入履歴あり


該当者のみ抽出


Audience作成の基本手順

① Audience作成

② Query設定

③ 条件指定

④ 件数確認

⑤ 保存


この流れが基本になります。


実務でよく使う条件

まずは代表的な条件から見ていきましょう。


属性条件

最も基本的なセグメントです。


性別

女性

男性

その他


活用例

女性向け商品案内


年齢

20代

30代

40代

50代


活用例

年代別商品提案


地域

東京都

神奈川県

大阪府

など


活用例

地域限定イベント


行動条件

マーケティング成果に最も影響します。


メール開封

過去30日以内開封


活用例

反応の高い顧客への再配信


メールクリック

過去30日以内クリック


活用例

興味関心の高い顧客抽出


未開封者

過去5配信未開封


活用例

休眠化予兆分析


購買条件

EC事業で最重要です。


購入回数

1回

2回

5回以上

など


購入金額

累計1万円以上

累計10万円以上

など


最終購入日

30日以内

90日以内

180日以上前

など


実務で最も使われるセグメント

ここからは実際の現場で頻繁に利用されるAudienceを紹介します。


新規顧客

登録から30日以内

購入回数1回


活用施策

Welcomeメール

商品紹介

レビュー依頼


リピーター

購入回数3回以上


活用施策

定期購入提案

アップセル

クロスセル


VIP顧客

購入金額上位10%


活用施策

限定セール

先行販売

特別クーポン


休眠顧客

最終購入から90日以上経過


活用施策

再購入キャンペーン

復活クーポン

アンケート


Audience設計の失敗例

初心者が陥りやすい失敗です。


セグメントが広すぎる

全会員


問題

興味がバラバラ

反応率低下


セグメントが細かすぎる

東京都

30代

女性

購入回数3回以上

累計金額5万円以上

メール開封者

商品A購入者


結果

対象者10人


施策として成立しない


セグメント設計の黄金ルール

実務では以下の順番で考えると失敗しません。


① 顧客属性

② 購買履歴

③ 行動履歴

④ エンゲージメント


この順番で絞り込んでいきます。


RFM分析との関係

ACS運用ではRFM分析がよく利用されます。


Recency

最終購入日


Frequency

購入回数


Monetary

購入金額


最近購入

×

購入回数多い

×

購入金額高い

VIP候補


ECサイトでよくあるAudience設計

例として化粧品ECを考えてみます。


UVケア商品

対象

20代女性

過去30日訪問

UVカテゴリ閲覧

未購入


非常に高い成果が期待できます。


定期購入促進

対象

単品購入者

購入から25日経過

定期購入未契約


定期コース提案


教育サービスでのAudience例


資料請求者

説明会未予約

登録後7日以内


説明会誘導メール


説明会参加者

未契約

14日以内


個別相談案内


Audienceの更新方法

Audienceは一度作って終わりではありません。

定期的な見直しが必要です。


確認ポイント

  • 件数推移
  • CVR推移
  • 開封率
  • CTR

成果が落ちてきたら

条件を見直します。


Audience設計で成果を出す企業の特徴

優秀な企業ほど

メール制作に時間を使わず

Audience設計に時間を使います。


実際の工数イメージ

セグメント設計

50%

メール企画

20%

デザイン

20%

分析

10%


というケースも珍しくありません。


よくある質問

AudienceとProfileの違いは?

Profile

顧客情報そのもの

Audience

顧客を抽出した結果

です。


Audienceはいくつ作るべき?

正解はありません。

ただし、

目的別

施策別

顧客ステージ別

に管理すると運用しやすくなります。


Audience命名ルール例

運用規模が大きくなると重要です。

EC_女性_購入者_30日以内

EC_VIP_累計10万以上

EC_休眠_90日以上未購入


誰が見ても分かる命名を推奨します。


まとめ

AudienceはACS運用における最重要機能の一つです。

成果を出すためには、

「どんなメールを送るか」

ではなく、

「誰に送るか」

を先に考える必要があります。

優れたAudience設計ができれば、

開封率

クリック率

売上

すべてを改善できます。

実務ではまず、

・新規顧客

・リピーター

・VIP顧客

・休眠顧客

の4セグメントから始めるのがおすすめです。

次章では、いよいよACSの中核機能である「メール配信作成(Email Delivery)」について詳しく解説します。

件名設定、差出人設定、パーソナライズ、HTMLメール作成まで、実際の配信業務を想定しながら解説していきます。

株式会社AO 吉川悠太

株式会社AO 吉川悠太

岡山県生まれ。一橋大学を卒業後、株式会社ツムラに入社。10年間、営業・Web集客・AI開発を経験。2024年、EC制作・集客の株式会社AOを創業。

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