分析ダッシュボードの基本
ECサイトを運営する上で、感覚だけに頼るのではなく、データに基づいて現状を把握し、次の戦略を立てることが成功の鍵となります。Shopifyの「分析ダッシュボード」は、そのための強力な羅針盤となる機能です。
管理画面から「分析」へ
この機能には、管理画面の左側メニューにある「分析」からアクセスできます。クリックすると、ストアの売上や訪問者数といった主要なデータが、グラフや表で分かりやすく可視化されたダッシュボードが表示されます。ここが、あなたのストアの健康状態をチェックする場所です。
期間を指定して比較する
ダッシュボードの右上にある日付範囲をクリックすることで、分析したい期間を自由に設定できます。「今日」「昨日」「過去7日間」といったプリセットのほか、任意の期間を指定することも可能です。「前の期間と比較する」機能を使えば、先週比や前年同月比での成長率も一目で確認できます。
スマホアプリでも確認可能
Shopifyの公式スマートフォンアプリを使えば、外出先からでも手軽にダッシュボードの主要な指標を確認できます。日々の売上やリアルタイムの訪問者数をチェックする習慣をつけることで、ビジネスの「今」を常に把握することができます。
重要な3つの主要指標
ダッシュボードには多くの情報が表示されますが、初心者のうちは、まず以下の3つの主要な指標に注目するだけで十分です。これらは、ECサイトの心臓部とも言える最も重要な数字です。
① 総売上:ビジネスの規模
「総売上」は、指定した期間内にあなたのストアがどれだけの商品を販売したかを示す、最も基本的な指標です。ビジネスの全体的な規模や成長のトレンドを把握するために、毎日チェックしましょう。返品やディスカウントを差し引いた、純売上も確認できます。
② セッション:ストアへの訪問者数
「セッション」とは、お客様があなたのストアを訪問した回数のことです。実店舗で言えば「来店客数」にあたります。この数字を見ることで、どれだけの人があなたのストアに興味を持って訪れてくれているのか、集客がうまくいっているのかを判断できます。
③ コンバージョン率:購入に至った割合
「コンバージョン率(CVR)」は、ECサイトにおいて最も重要な指標の一つです。これは、訪問者数(セッション)のうち、実際に商品を購入してくれたお客様の割合を示します。例えば、100回の訪問で2件の注文があれば、コンバージョン率は2%です。この数値が高いほど、あなたのストアが「売る力」を持っていることを意味します。
さらに深く分析するカード
3つの主要指標に慣れてきたら、ダッシュボードを下にスクロールして、より詳細な分析カードも見てみましょう。これにより、ストアの改善点が見えてきます。
チャネル別セッション数
これは、「お客様がどこからやってきたか」を示すデータです。検索エンジン(Googleなど)、SNS(Instagramなど)、広告など、流入経路別の訪問者数が分かります。これにより、どのマーケティング施策が効果的かを判断し、力を入れるべき集客チャネルを見極めることができます。
デバイスタイプ別のセッション
お客様がスマートフォン、PC、タブレットのどれを使ってストアを訪れているかが分かります。もし、スマートフォンの割合が圧倒的に多いのであれば、サイトのデザインや操作性がスマートフォンに最適化されているかを、より一層注意深く確認する必要があります。
上位の商品(売上別)
指定した期間で、「どの商品が最も売上に貢献したか」をランキング形式で確認できます。このデータを参考にすることで、人気商品の在庫を多めに確保したり、関連商品を開発したりといった、次の販売戦略を立てるための重要なヒントが得られます。
まとめ
Shopifyの分析ダッシュボードは、あなたのビジネスの健康診断書です。毎日すべての数字を細かく見る必要はありません。まずは、「総売上」「セッション」「コンバージョン率」という3つの主要指標を毎日チェックする習慣をつけましょう。これらの数字の変動を日々追うことで、あなたは次第にストアの「体調」を肌で感じられるようになります。データという強力な武器を味方につけ、自信を持ってストア運営を進めていきましょう。























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