面白いマーケティングを考えるときは、奇抜な広告だけでなく、顧客が何を体験し、誰に伝えたくなるのかを見ると企画へ応用しやすくなります。ここでは公式発表で内容を確認できる三つの事例を取り上げます。施策の事実と、そこから考える企画上のヒントを分けて読みましょう。
Share a Coke:人を思い浮かべるきっかけを作る
コカ・コーラは2011年にオーストラリアで始まったShare a Cokeを、2025年の公式発表でも紹介しています。ボトル等に名前を使い、相手との共有を促す企画です。学ぶ観点は、商品に「自分や友人に関係がある」と感じる入口を用意することです。ただし、名前の印刷や大規模展開そのものをまねる必要はありません。
小さく試すなら選び方や贈り方を工夫する
自社への応用例として、贈る相手や使用場面から選べる商品案内、手書きメッセージの選択等が考えられます。これは編集上の提案例で、コカ・コーラの実施内容ではありません。個人名等を扱う場合は利用目的や保存範囲を決め、入力例や文字数、納期を明示します。個人化のために増える制作・確認の作業も見積もってください。
WestJet:実体験を物語として共有する
WestJetの2013年公式発表では、出発前に乗客が伝えたクリスマスの希望を受け、到着地でプレゼントを届ける企画が説明されています。参考になるのは、広告映像だけでなく実際の利用者の体験を起点にしている点です。大きなサプライズを約束するより、自社の接客や配送で実行可能な喜びを探し、撮影・掲載の同意や公平な対応も設計します。
Spotify Wrapped:自分の記録を共有できる形にする
2025年のSpotify公式案内は、年間の聴取内容を個人向けのストーリーや共有カードで振り返る体験を説明しています。企画のヒントは、利用者に蓄積された記録を、理解しやすく人に伝えやすい形へ変えることです。自社で試す場合も、利用者が公開を選べること、不正確な集計をしないこと、公開したくない情報を出さないことを優先します。
面白さと商品価値をつなぐ
笑いや驚きだけが残り、何の商品か分からないと次の行動へつながりません。企画書には、対象者の関心、体験内容、商品との関係、参加後の行き先を記載します。受け手が嫌な思いをする演出や、参加を強く迫る仕掛けを避け、応募条件、利用規約、撮影・投稿の権利関係も確認してください。
拡散数と事業への効果を分けて測る
表示・再生、参加、共有、商品ページへの訪問、購入や問い合わせを分けて記録します。費用には景品や制作だけでなく、確認・発送・問い合わせ対応も含めます。話題になった事実だけで売上が増えたとは断定できません。小さな試行で参加者の反応と業務負担を確かめ、継続・変更・終了の条件を決めましょう。
3事例から考える企画の軸
| 事例 | 利用者の動機 | 自社で確認すること |
|---|---|---|
| Share a Coke | 自分や相手との関係 | 個人化の意味、納期と確認負担 |
| WestJet | 予想外の体験を共有 | 実行可能な接客、撮影・公開への同意 |
| Spotify Wrapped | 自分の記録を振り返る | 集計の正確性と本人の共有選択 |
導入前の確認事項
- 商品と企画のつながりを説明できるか
- 参加条件と投稿・写真の使用許諾を決めたか
- 拡散以外の目的と測定項目を設けたか
- 参加後の顧客対応まで実施できるか
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