越境ECの多言語対応は、ページを翻訳するだけでは完了しません。商品を発送できるか、現地で購入条件が伝わるか、問い合わせや返品を処理できるかまで、対象市場ごとに確認します。すべての国を一度に対象にせず、自社の注文・アクセス・問い合わせデータ、利益、配送可能性を見て着手先を決めます。海外での販売や売上を保証する施策ではありません。
まず対象市場と商品を絞る
候補市場ごとに、商品ごとの輸出可否・輸入条件、配送日数と費用、返品方法、現地表示・許認可、顧客対応に必要な体制を調べます。条件は商品と国・地域、配送方法によって異なるため、JETROの越境ECハンドブックを入口にし、税関・関係機関・配送会社・通関業者の最新情報で個別確認してください。
| 確認軸 | 公開前にそろえる情報 | 販売開始を保留する例 |
|---|---|---|
| 商品・規制 | 品目ごとの輸出可否、輸入条件、必要な表示や許認可 | 輸出入条件や販売者の責任が未確認 |
| 採算 | 商品原価、決済・配送費、関税等の負担者、返品時の費用 | 購入者負担額を表示できない、返品費を見積もれない |
| 配送 | 対象地域、配送方法、追跡、破損・遅延・返送時の連絡手順 | 現地配送・返品の受け皿が決まっていない |
| 言語・サポート | 商品仕様、購入条件、問い合わせ窓口、返信できる言語 | 翻訳した返品条件と実際の運用が一致しない |
| 決済 | 対応通貨・決済方法、入金・返金、本人認証、不正対応 | 決済会社の対象国や返金ルールが確認できない |
翻訳する情報と注文画面を商品単位で整える
機械的な一括翻訳で公開せず、商品名、素材・寸法、サイズ、使い方、注意事項、価格と税・送料の表示、在庫、配送予定、返品・解約条件を人が照合します。単位の換算や日付・住所欄の順序、郵便番号・電話番号の入力仕様も、対象地域で実際に購入テストをして確かめてください。問い合わせ文面や自動通知も同じ言語で運用できる状態にします。
言語別URLとhreflangを確認する
言語ページを別URLで公開する場合、URLの構造を言語ごとにそろえ、各ページから自分自身と他の対応言語版へ相互に hreflang を設定します。言語コードは Google の仕様に沿って指定し、canonical は各ページの正規URLを示しているか確認します。Googleは、言語・地域別ページを示す方法として hreflang とサイトマップを案内しています。詳細はGoogle Search Central「ローカライズ版のページ」を参照してください。
- 日本語版と翻訳版で、同じ商品・同じ購入条件に対応しているか確認する。
- 言語切替リンクをすべての対応ページから見つけられるようにする。
- IPアドレスだけで別言語ページへ強制転送せず、利用者が言語を選び直せるようにする。
- hreflangのURLが200で開き、言語・地域コード、相互参照、canonicalの組合せが正しいか確認する。
公開前チェックリスト
- 対象国・商品別の輸出可否と輸入条件を、確認先・確認日とともに記録した。
- 送料、関税等の負担者、決済通貨、返品先と返金条件を商品・市場ごとに説明できる。
- 購入者が注文確定前に数量、価格、支払方法、引渡時期、返品等を確認し訂正できる。
- テスト注文、決済失敗、取消し、返金、通知メール、配送追跡まで一通り動作した。
- 言語別のURL・hreflang・canonical・内部リンク・サイトマップを公開URLで確認した。
越境ECの要件整理や構築について相談する場合は、ECサイト制作のサービス内容をご確認ください。対象商品・市場・現在の販売方法が決まっている方は、お問い合わせにその情報を添えてご相談ください。























コメント