起業１年目から結果を出し続ける人は、自分の利益以上に「お客様や周囲の幸せ」を第一に考え、集客活動を利他的なプロセスとして捉えています。本章では、お客様の視点に立ち、自らの集客だけでなく他者の成功にも貢献することで、信頼と支持を獲得する方法を解説します。具体的には「お客様の幸せをイメージする」「他人の集客を手伝う」「取引ではなく応援する」「報酬ではなく当然のお礼を支払う」「集客している人を褒める」「買わない人に社会貢献できたと考える」「成功したときほど腰を低くする」の７つのポイントを順に見ていきましょう。
目次
お客様の幸せをイメージする
お客様がサービスを利用して得られる「未来の笑顔」や「解決できた課題」を具体的に思い描きながら集客施策を設計します。顧客第一のマーケティングでは、価格や機能ではなく「お客様の体験価値」に重きを置くことが基本です。たとえば、購入後のアフターサポートやコミュニティへの参加といった長期的な満足度を想定することで、短期的な売上だけでなく、口コミやリピートにつながるストーリーを構築できます。また、「他利他欲」の考え方に基づき、社会的価値の創出を同時に目指すことで、お客様のみならず広いコミュニティからの共感も得られます。
他人の集客を手伝う
同業者や関連業種の仲間の集客をサポートすることで、自分の信頼性とネットワークが強化されます。たとえば共同セミナーを開催したり、相互にSNSで紹介し合うことで、お互いの見込み客層にリーチを広げることが可能です。こうしたコラボレーションは、単なる集客という枠を超え、コミュニティ全体の活性化につながります 。また、地域の旅行代理店の事例でも、利他的な協力関係がリレーショナルネットワークを通じてビジネス価値を高めたことが報告されています。
取引ではなく応援する
お客様や仲間を「取引相手」ではなく「応援対象」として接すると、信頼関係が格段に深まります。利他的マーケティングでは、まず相手の成功を一緒に喜び、その過程をブランドストーリーの一部として共有します。クライアントの成功事例を自社サイトやSNSで積極的に発信し、そこから新たな興味関心を呼び起こすことができます。また、問題解決のパートナーとして寄り添う姿勢を明確に示すことで、結果的に自社への評価と引き合いが増えるという報告もあります。
報酬ではなく当然のお礼を支払う
「ありがとう」は強力な利他の表現です。集客支援を受けた際や、紹介があった際には金銭的な報酬以上に、心のこもったお礼を伝えましょう。手書きの感謝状や、相手のブランドを紹介する記事掲載など、相手が「当然受け取ってしかるべき」と感じるお礼を差し出すことで、持続的な協力関係を築けます。さらに、社会的責任（CSR）を重視する企業の実践例では、報酬以上の利他的行動がブランドイメージの向上に寄与したとのデータもあります。
集客している人を褒める
同業者や先輩が行う集客施策を見かけたら、その成果や工夫を素直に称賛しましょう。人は認められることで、さらに良いコンテンツやサービスを生み出すモチベーションが高まります。利他的マーケティングでは、褒める行為自体が「自分も見習いたい」と相手からのリスペクトを生む好循環を生み出します LinkedIn。実証研究によれば、企業の利他的マーケティングは顧客の「エクストラロール行動」を促進し、ブランドへの積極的な関与を高める効果も確認されています Frontiers。
買わない人に社会貢献できたと考える
商品やサービスを購入しなかった人にも、有益な情報提供や学びの機会を提供することで、「社会貢献」として捉えましょう。例えば、無料ウェビナーやSNSでのノウハウ公開は、たとえ直接の収益につながらなくても、社会全体の課題解決に寄与できたと考えられます。この姿勢が広く認知されると、長期的にブランドへの信頼と好感度が向上します。学術的にも、利他的なコーズ・マーケティングはブランドと消費者の関係修復や強化につながることが示されています。
成功したときほど腰を低くする
売上や成果が上がったときこそ謙虚な姿勢を保ち、支えてくれたお客様やチーム、仲間への感謝を示しましょう。CSRの文脈では、成功後の利他的行動が次なる社会的信頼を生み、継続的な支持につながることが報告されています。また、クライアントの成功を自分の成功以上に喜び、公に称賛することで、自他ともに「共に成長するパートナー」としてのブランドイメージが強化されます。
第８章では、「利他の心」を武器に集客を行うためのマインドセットとアクションを７つの視点からご紹介しました。他者への貢献を前提とすることで、自社のブランド価値は自然に高まり、長期的かつ持続的な集客チャネルが生まれます。次章では「集客が苦しいときの処方箋」をテーマに、困難な状況を乗り越える具体的な戦略をご説明します。
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