Shopify Starterプランとは?
「本格的なECサイトはまだ必要ないけれど、SNSやブログで商品を簡単に販売したい」。そんなニーズに応えるのが、Shopifyの最も手軽なプラン「Shopify Starter(ショッピファイ スターター)」です。これは、従来のLiteプランがリニューアルされたもので、特定の販売シーンに特化したユニークなプランです。
オンラインストアがない最安プラン
Starterプランの最大の特徴は、Shopifyの他のプランとは異なり、独立したオンラインストア(ECサイト)の機能が含まれていない点です。その分、月額料金は数ドル(数百円)からと、破格の低価格で設定されています。ECサイトの構築・運営は不要で、決済機能だけを使いたい事業者に最適化されています。
「購入ボタン」がメイン機能
このプランの主役となるのが、「購入ボタン(Buy Button)」機能です。Shopifyの管理画面で商品を登録すると、その商品専用の購入ボタンを埋め込みコードとして生成できます。このコードを既存のブログ記事やウェブサイトに貼り付けるだけで、どこでも商品を販売できるようになります。
月額料金と手数料
Starterプランの月額料金は5ドルと非常に低価格です。クレジットカードの決済手数料は、Shopifyのベーシックプランと同じ料率が適用されます。低コストでShopifyの強力な商品管理機能と決済システムを利用開始できるのが、このプランの大きな魅力です。
Starterプランの主な活用シーン
オンラインストアがないStarterプランは、具体的にどのような場面で活躍するのでしょうか。ここでは、代表的な3つの活用シーンをご紹介します。
SNS(Instagram, TikTok)での販売
インフルエンサーやクリエイターが、InstagramやTikTokのフォロワーに向けて商品を販売するのに最適です。後述する「Linkpop」というツールを使えば、プロフィールページのリンクから直接商品を販売できます。DMで一件ずつ注文を受けて銀行振込をお願いする、といった手間から解放されます。
既存ブログやサイトへの組込み
すでにWordPressなどでブログやメディアサイトを運営している場合、記事の内容に関連する商品を紹介し、その場で購入してもらうことができます。例えば、キャンプに関する記事の途中に、おすすめのキャンプギアの「購入ボタン」を設置する、といった活用法です。読者の購買意欲が高まった瞬間を逃しません。
DMやチャットでの個別販売
Starterプランでは、商品の「チェックアウトリンク」を個別に生成することも可能です。このリンクを、お客様とのDMやLINE、メッセンジャーでのやり取りの中で直接送ることで、スムーズに決済を完了してもらえます。オーダーメイド商品や、個別相談の上で販売する商品などに適しています。
Starterプランでできること・できないこと
Starterプランは非常にユニークな立ち位置のため、何ができて、何ができないのかを正確に理解しておくことが重要です。
できること:商品登録・決済
Shopifyの強固なバックエンド機能は、Starterプランでも利用できます。具体的には、商品情報の登録、在庫管理、注文管理、そして安全なオンライン決済機能など、販売の裏側を支える基本的な機能はすべて利用可能です。
できること:Linkpopの活用
Linkpop(リンクポップ)は、Shopifyが提供する無料の「リンクインバイオ」ツールです。Starterプランと組み合わせることで、プロフィールページにただのリンク集ではなく、商品を直接購入できる「ショッパブルリンク」を掲載できます。これはSNS販売において極めて強力な武器となります。
できないこと:ストアデザイン
最も重要な注意点は、Starterプランではオンラインストアのフロントページ(お客様が見るウェブサイト)を構築・デザインすることはできないということです。テーマのカスタマイズや、ブログ機能、ナビゲーションの作成などは、ベーシック以上のプランが必要になります。「自分だけのECサイト」を作りたい場合は、このプランは対象外です。
まとめ
Shopify Starterプランは、「ECサイトは不要、でも販売と決済の仕組みだけが欲しい」という、現代の多様な販売スタイルに完璧に応えるソリューションです。特に、SNSやブログで既に多くのファンや読者を抱えている方にとっては、自身の発信力を最小限のコストで収益化するための最も手軽な第一歩と言えるでしょう。手動での販売管理に限界を感じ始めたら、ぜひこのStarterプランの活用を検討してみてください。
























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