Shopifyの主要3プランの概要
Shopifyには、事業の規模やフェーズに応じて選べる、主に3つの料金プランが用意されています。まずはそれぞれのプランが、どのような事業者を対象としているのか、全体像を掴みましょう。
ベーシック:まずはここから
月額料金が最も手頃なエントリープランです。個人事業主や、初めてネットショップを開設する方に最適です。ECサイトの基本的な機能はすべて揃っており、スモールスタートを切るには十分な内容です。まずはこのプランで始めて、事業の成長に合わせてアップグレードを検討するのが王道です。
スタンダード:事業成長を目指す
ストアの運営が軌道に乗り、売上が安定的に伸びてきた中小規模の事業者向けのプランです。月額料金は上がりますが、クレジットカード手数料が安くなるほか、より詳細な分析が可能なレポート機能や、複数人でストアを管理できるスタッフアカウント数が追加され、事業の成長を後押しします。
プレミアム:規模拡大と効率化
大規模なストアや、高い売上規模を誇る事業者向けの最上位プランです。クレジットカード手数料が最も安くなるため、売上ボリュームが大きい場合にコストメリットが生まれます。さらに高度な分析レポートや、海外販売を円滑にする機能も充実しており、本格的な事業拡大と運営の効率化を目指せます。
【比較】手数料とコスト
各プランを選ぶ上で最も重要な判断基準の一つが、月額料金と、売上に応じて変動するクレジットカード手数料です。この2つのバランスを考えることが、最適なプラン選びの鍵となります。
月額料金の違い
各プランの月額料金は以下の通りです。(月払いの場合)
- ベーシック:4,850円
- スタンダード:13,500円
- プレミアム:58,500円
※年払いにすると約25%の割引が適用され、よりお得に利用できます。
クレジットカード手数料率
Shopifyペイメントを利用した場合の、国内発行カードの決済手数料率は、プランが上がるごとに安くなります。
- ベーシック:3.55%
- スタンダード:3.4%
- プレミアム:3.25%
一見小さな差ですが、売上規模が大きくなるほど、この手数料率の違いが全体のコストに大きく影響します。
プラン変更の損益分岐点
月額料金の差額を、手数料率の差で回収できる「損益分岐点」を把握しておきましょう。例えば、ベーシックプランからスタンダードプランへのアップグレードを考える場合、月額料金の差は約8,650円、手数料率の差は0.15%です。計算すると、月商が約580万円を超えると、スタンダードプランの方がトータルコストは安くなります。
【比較】機能と対象事業者
コストだけでなく、機能面の違いも重要な比較ポイントです。特に、スタッフアカウント数とレポート機能は、事業の運営体制に直結します。
スタッフアカウント数
ストアの管理画面にログインできるスタッフのアカウント数は、プランごとに上限が定められています。
- ベーシック:2アカウント
- スタンダード:5アカウント
- プレミアム:15アカウント
受注処理担当やブログ更新担当など、複数人でストアを運営する必要が出てきたら、スタンダードプラン以上へのアップグレードを検討するタイミングです。
レポート機能の違い
売上分析などに使うレポート機能にも違いがあります。ベーシックプランでは基本的な分析レポートのみですが、スタンダードプランでは「販売レポート」や「利益レポート」といった、より詳細な分析が可能になります。「どの商品が利益に貢献しているか」などを深く分析したい場合に役立ちます。プレミアムでは、さらに高度なカスタムレポートが作成可能です。
国際販売向けの機能
海外への販売(越境EC)を本格的に行う場合、プレミアムプランの機能が役立ちます。具体的には、国ごとに異なる関税や輸入税をチェックアウト時に自動計算してくれる機能などが利用できます。これにより、複雑な海外取引をスムーズに行うことが可能になります。
まとめ
Shopifyの料金プラン選びは、以下の基準で判断するのがおすすめです。
- ベーシック:これからECを始めるすべての方。まずはこのプランからスタート。
- スタンダード:月商が500万円を超えてきた、あるいは複数人での運営や詳細な売上分析が必要になった事業者。
- プレミアム:月商が数千万円規模になり、手数料のメリットを最大化したい、または高度な分析や海外販売機能が必要な事業者。
Shopifyのプランは、いつでもペナルティなしで変更可能です。最初は「ベーシック」から安心して始め、あなたのビジネスの成長に合わせて、最適なプランへと柔軟に見直していきましょう。









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