サブスクに適した商材の3大特徴
安定した収益モデルとして注目されるサブスクリプション。しかし、どのような商材でも成功するわけではありません。自社の製品やサービスが適しているかを見極めるために、まずはサブスクリプションと相性の良い商材が持つ3つの大きな特徴を理解しましょう。
消耗品・定期的なニーズ
コーヒー豆、化粧品、サプリメント、ペットフードなど、定期的に消費され、繰り返し購入する必要がある「消耗品」はサブスクリプションの基本です。顧客は買い忘れを防げ、事業者は安定した需要を見込めるため、双方にメリットがある最も分かりやすいモデルと言えます。
継続的な価値を提供する
ソフトウェア(SaaS)、オンライン学習、動画配信サービスのように、利用期間中、継続的に新しい価値やアップデートを提供する商材も非常に適しています。顧客は常に最新の機能や情報を得られ、事業者は長期的な関係性を築きながらサービスを改善していくことができます。
多様な選択肢や発見がある
毎月テーマに沿った商品が届く「頒布会」や「キュレーションボックス」も人気のモデルです。お酒、お菓子、花、衣類など、自分では選ばないような新しい商品との出会いや発見という「体験価値」を提供します。顧客の好奇心を刺激し、飽きさせない工夫が鍵となります。
代表的なサブスク商材の具体例
先ほど解説した3つの特徴は、実際のビジネスでどのように展開されているのでしょうか。ここでは、具体的な商材の例を挙げながら、成功しているサブスクリプションの型を3つ紹介します。
【補充型】食品や化粧品
これは「消耗品・定期的なニーズ」に該当する最もクラシックなモデルです。カミソリの替え刃やコンタクトレンズ、ウォーターサーバーの水などが代表例です。顧客のライフスタイルに組み込まれることで、解約率が低く、安定した収益基盤を築きやすいのが特徴です。
【利用権型】ソフトウェア
「継続的な価値の提供」を体現するのが、AdobeやMicrosoft 365などのソフトウェアです。一度きりの「買い切り」ではなく、月額・年額で「利用する権利」を提供します。常に最新版が利用できるメリットがあり、BtoB、BtoC問わず広く導入されています。
【体験型】花の定期便
「多様な選択肢や発見」を提供するモデルの好例が、花の定期便サービスです。季節に合わせた旬の花が定期的に届くことで、生活に彩りや潤いという「体験」をもたらします。モノの所有だけでなく、心を満たすコト消費のニーズに応える新しい形のサブスクです。
導入前に検討すべき重要ポイント
自社の商材がサブスクに適していると感じても、すぐに導入するのは危険です。ビジネスとして成立させるためには、事前に検討しておくべき重要な経営指標や体制があります。
顧客単価と解約率(チャーン)
サブスクビジネスでは、LTV(顧客生涯価値)を最大化することが重要です。そのためには、月々の顧客単価を適切に設定し、チャーンレート(解約率)をいかに低く抑えるかが生命線となります。価格以上の価値を感じてもらい、顧客が離脱する原因を常に分析・改善する姿勢が求められます。
安定供給と在庫管理の体制
特に物理的な商品を扱う場合、会員数が増えても品質を落とさず、商品を安定的に供給できる体制が不可欠です。需要を予測し、適切な在庫を管理するロジスティクスを構築しなければ、欠品や配送遅延といった顧客満足度を著しく下げる事態を招きかねません。
顧客との関係構築(CRM)
サブスクリプションは、顧客と長期的な関係を築くビジネスモデルです。会員限定のコンテンツを提供したり、コミュニティを運営したりと、継続的な顧客接点(CRM)を大切にしましょう。顧客の声に耳を傾け、サービスに反映させていくことで、単なる契約者から熱心なファンへと変わっていきます。
まとめ:商材の価値を再定義しよう
サブスクリプションモデルに適しているかどうかは、単に「モノ」としての商品特性だけで決まるわけではありません。その商品が顧客にどのような「継続的な価値」や「特別な体験」を提供できるか、という視点が重要です。この記事を参考に、自社商材が持つ新たな可能性を見つけ出し、顧客と長期的に繋がる新しいビジネスモデルの構築を検討してみてはいかがでしょうか。
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