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Adobe Campaign Standard(ACS)完全ガイド 第12章 レポート・トラッキング・配信結果分析 完全解説

Adobe Campaign Standardで成果を可視化し改善につなげる方法

メールを配信しただけでは成果は生まれません。

重要なのは、

配信結果を分析し、次回施策に改善を反映すること

です。

Adobe Campaign Standard(ACS)には強力なレポート機能とトラッキング機能が搭載されています。

しかし実際の現場では、

  • 開封率だけ見ている
  • クリック率だけ確認している
  • レポートを見ても改善につながっていない

というケースも少なくありません。

本章では、

単なるレポート画面の見方ではなく、

CRM担当者・マーケティング担当者がどのように数値を解釈し、施策改善につなげるべきか

まで含めて詳しく解説します。


レポート分析の目的

なぜ分析が必要なのか

メール配信は仮説検証の連続です。

例えば、

件名A

開封率20%


件名B

開封率32%


この結果から、

どちらがユーザーの興味を引いたのか

を判断できます。


レポートの役割

レポートは

結果を見るため

ではありません。


改善点を見つけるため

に利用します。


ACSのトラッキング機能

トラッキングとは

受信者の行動を計測する機能です。


メール送信

開封

リンククリック

購入


これらを記録できます。


トラッキングできる主な指標

配信数(Sent)

送信されたメール数


到達数(Delivered)

正常に受信された数


開封数(Opened)

メールが開封された数


クリック数(Clicked)

リンククリック数


配信停止数(Unsubscribed)

配信停止件数


バウンス数(Bounced)

送信失敗数


Delivery Dashboardの見方

Delivery Summary

各メール配信結果を確認できます。


主な表示項目

  • Sent
  • Delivered
  • Open
  • Click
  • Bounce

配信数(Sent)

意味

送信処理対象となった件数


100,000件配信


Sent

100,000


到達率(Delivery Rate)

計算式

Delivery\ Rate = \frac{Delivered}{Sent} \times 100


送信数

100,000


到達数

98,000


到達率

98%


目安

優秀

99%以上


一般的

97〜99%


要改善

95%未満


バウンス(Bounce)とは

バウンスの定義

メールが届かなかった状態

です。


Hard Bounce

永続的エラー

存在しないアドレス


退職済みアドレス


ドメイン不存在


対応

リスト除外


Soft Bounce

一時的エラー

メールボックス容量不足


サーバーエラー


一時的受信拒否


対応

再送信可能


開封率(Open Rate)

定義

開封された割合


計算式

Open\ Rate = \frac{Opened}{Delivered} \times 100


到達数

10,000


開封数

2,500


開封率

25%


開封率に影響する要素

件名

最も重要


差出人名

ブランド認知


配信タイミング

曜日

時間帯


セグメント精度

興味関心との一致


Apple MPPの影響

Apple Mail Privacy Protection

Appleが開封測定を制限する機能

です。


結果として

開封率が実態より高く計測される場合があります。


現在の考え方

開封率だけで評価しない


クリック率も重視する


クリック率(CTR)

定義

クリックされた割合


計算式

CTR = \frac{Clicks}{Delivered} \times 100


到達

10,000


クリック

500


CTR

5%


CTORとは

Click To Open Rate

開封者のうちクリックした割合

です。


計算式

CTOR = \frac{Clicks}{Opened} \times 100


なぜ重要なのか

件名ではなく

コンテンツ評価

ができます。


CTRとCTORの違い

CTR

全体評価


CTOR

本文評価


実務ではCTORを重視する企業が増えています。


配信停止率(Unsubscribe Rate)

計算式

Unsubscribe\ Rate = \frac{Unsubscribed}{Delivered} \times 100


目安

優秀

0.1%未満


一般的

0.1〜0.3%


要改善

0.5%以上


苦情率(Complaint Rate)

定義

迷惑メール報告率


非常に重要な指標です。


目安

0.1%未満


超えると到達率悪化リスク


コンバージョン分析

最終的に見るべき指標

売上

申込

資料請求

など


配信

10,000

開封

2,500

クリック

500

購入

50


購入率

0.5%


Google Analytics連携

UTMパラメータ活用

utm_source=email

utm_medium=crm

utm_campaign=spring_sale


分析できる内容

セッション数


CV数


売上


離脱率


Link Tracking

リンク単位分析

どのリンクがクリックされたか確認できます。


商品A

100クリック


商品B

500クリック


人気商品分析可能


ヒートマップ的分析

ACS単体では限定的ですが、

クリック位置分析が可能です。


活用例

CTA配置改善


セグメント別分析

VIP顧客

開封率

45%


一般顧客

開封率

18%


この差から施策改善を検討します。


A/Bテスト分析

テスト例

件名A


件名B


評価指標

開封率

CTR

CV率


実務で毎週確認する指標

CRM担当者向け

到達率


開封率


CTR


CTOR


配信停止率


売上


ECサイトで重視する指標

売上

最重要


CV率


カート投入率


LTV


BtoBで重視する指標

資料請求数


商談化率


受注率


ダッシュボード設計

経営層向け

売上

ROI

CV


マーケティング担当者向け

CTR

CTOR

開封率


CRM担当者向け

配信停止率

苦情率

到達率


よくある分析ミス

開封率だけ追う

危険です。


CTRだけ追う

不十分です。


売上を見ない

本末転倒です。


セグメント比較しない

改善機会を失います。


レポート改善サイクル

Step1

結果確認


Step2

仮説立案


Step3

A/Bテスト


Step4

改善


Step5

再検証


成熟企業のKPI設計

Level1

到達率


Level2

開封率


Level3

CTR


Level4

CV


Level5

LTV


最終的にはLTV改善が目的です。


まとめ

ACSのレポート機能は、

単なる数字確認ツールではありません。

重要なのは、

数字を見ること

ではなく

数字から改善点を見つけること

です。

特に実務では、

  • 到達率
  • CTR
  • CTOR
  • 配信停止率
  • CV率

を継続的に分析することで成果を大きく改善できます。

また近年はApple MPPの影響もあり、

開封率だけに依存せず、

クリックやコンバージョンを重視する運用が求められています。


次章予告

第13章では、

Campaign(キャンペーン管理)・マーケティング計画・施策管理

について解説します。

  • Campaign作成
  • Marketing Activitiesとの違い
  • キャンペーン管理の考え方
  • 年間CRM計画
  • KPI設計
  • マルチチャネル施策管理

など、実際のCRM担当者やマーケティングマネージャーが利用するキャンペーン管理機能を詳しく学んでいきます。

株式会社AO 吉川悠太

株式会社AO 吉川悠太

岡山県生まれ。一橋大学を卒業後、株式会社ツムラに入社。10年間、営業・Web集客・AI開発を経験。2024年、EC制作・集客の株式会社AOを創業。

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