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Adobe Campaign Standard(ACS)完全ガイド 第9章 Query(セグメント抽出)・Audience設計完全解説

Adobe Campaign Standardで成果を出すターゲティングの考え方

Adobe Campaign Standard(ACS)の運用において、多くの担当者はメール作成やデザインに注目します。

しかし実際に成果を左右する最大の要因は、

誰に送るか

です。

同じメールでも、

  • 全会員へ送る
  • VIP会員へ送る
  • 休眠顧客へ送る

では結果が大きく変わります。

そのためACS運用では、

メール作成よりQuery設計の方が重要

と言われています。

本章では、ACSのQuery機能を利用したセグメント抽出、Audience設計、実務で活用されるターゲティング手法について詳しく解説します。


Queryとは何か

Queryの役割

Queryとは、

条件に一致する顧客を抽出する機能

です。

ACSのほぼすべての施策はQueryから始まります。

例えば、

東京都在住

AND

女性

AND

購入履歴あり

AND

過去90日以内購入

という条件で対象者を抽出できます。


Queryが利用される場所

Workflow

対象者抽出


Audience作成

セグメント生成


配信対象作成

メール配信


レポート分析

対象者分析


Queryの基本構造

抽出条件の考え方

Queryは基本的に

対象データ

条件

で構成されます。


Profiles

女性

東京都

購入履歴あり

結果

12,500人


Query画面の見方

Dimension

対象テーブルを指定します。

通常は

Profiles

を利用します。


Conditions

抽出条件を設定します。


Result

抽出結果件数を確認できます。


条件設定の基本

単一条件

最も基本的な抽出です。


Gender

=

Female


結果

女性会員


複数条件

複数条件を組み合わせます。


Gender

=

Female

AND

Prefecture

=

Tokyo


結果

東京都在住女性


AND条件とOR条件

AND条件

すべて満たす


女性

AND

東京都


対象

東京都の女性のみ


OR条件

どちらかを満たす


東京都

OR

神奈川県


対象

東京都または神奈川県


よく使う属性条件

性別

男性

女性

その他


活用例

性別別商品訴求


年齢

20代

30代

40代

50代


活用例

年代別キャンペーン


地域

都道府県

市区町村


活用例

地域限定イベント


会員ランク

一般

シルバー

ゴールド

プラチナ


活用例

VIP施策


行動データを活用する

実務では属性より行動データの方が重要です。


メール開封

過去30日以内開封


活用例

アクティブ顧客抽出


メールクリック

過去30日以内クリック


活用例

興味関心の高い顧客


Web閲覧

特定ページ閲覧


活用例

商品興味層


購買データを活用する

ECサイトでは最重要です。


購入回数

3回以上


リピーター判定


購入金額

累計10万円以上


VIP判定


最終購入日

90日以内


アクティブ顧客


Recency・Frequency・Monetary分析

RFM分析とは

顧客価値を測定する代表的手法です。


Recency

最終購入日


最近購入したほど高評価


Frequency

購入回数


回数が多いほど高評価


Monetary

購入金額


金額が高いほど高評価


RFM活用例

VIP顧客

購入日が新しい

購入回数が多い

購入金額が高い


離反予備軍

購入回数は多い

しかし最近購入していない


実務で最も利用されるセグメント

新規顧客

登録後30日以内


購入回数1回


活用施策

Welcomeメール


リピーター

購入回数3回以上


活用施策

定期購入促進


VIP顧客

累計購入金額上位


活用施策

限定キャンペーン


休眠顧客

90日以上未購入


活用施策

掘り起こし施策


Queryでの除外設定

なぜ除外が重要か

誤配信防止のためです。


クーポン配信

既購入者除外


不要な配信を防げます。


よくある除外条件

配信停止者

必須


購入済み顧客

キャンペーン内容による


重複メールアドレス

重複配信防止


社内アドレス

テストユーザー除外


セグメント設計の実務例

ECサイト

夏野菜キャンペーン

対象

過去60日以内購入

AND

メール開封あり


高反応層へ配信


定期購入施策

単品購入者

AND

定期契約なし


定期購入訴求


BtoBのセグメント例

資料請求者

資料請求済

AND

商談未実施


フォローメール


ウェビナー参加者

参加済

AND

商談未化


営業連携


教育サービスのセグメント例

説明会参加者

参加済

AND

未契約


個別相談案内


卒業生

卒業済


転職支援案内


Audience化する理由

Audienceとは

保存されたセグメントです。


Query

保存

Audience


Audience運用のメリット

再利用できる

毎回条件設定不要


Workflowで利用できる

自動化可能


レポート分析できる

比較分析可能


命名ルール

推奨形式

カテゴリ_条件_目的


VIP_累計10万以上


Dormant_90日未購入


Active_30日開封者


Query設計のベストプラクティス

シンプルに作る

複雑な条件は保守困難


件数を確認する

想定件数との乖離確認


必ず除外条件を入れる

配信停止者除外


テスト抽出を行う

本番前検証


よくあるQueryミス

ANDとORの誤設定

対象件数が大幅に変わる


除外漏れ

誤配信発生


日付条件ミス

休眠顧客抽出失敗


重複データ未考慮

二重配信


Queryの品質が成果を決める

実務では

メール内容改善

より

ターゲティング改善

の方が成果インパクトが大きいケースが多くあります。


開封率

20%

35%


CTR

2%

6%


メールを変えずに改善することもあります。


ACS担当者に求められるスキル

初級

Queryを実行できる


中級

セグメント設計できる


上級

顧客分析からAudienceを設計できる


エキスパート

事業目標からCRM戦略を設計できる


まとめ

ACS運用において、

成果はメールではなくターゲティングで決まる

と言っても過言ではありません。

Queryはそのターゲティングを実現する中核機能です。

まずは以下の4セグメントを作成できるようになりましょう。

  • 新規顧客
  • リピーター
  • VIP顧客
  • 休眠顧客

これらを正しく抽出できるようになると、ACSの運用レベルは大きく向上します。


次章予告

第10章では、

Transactional Messaging(トランザクションメール)

について詳しく解説します。

  • 会員登録完了メール
  • 注文完了メール
  • パスワード再設定メール
  • 配送通知メール

など、リアルタイム配信の仕組みや実装方法、マーケティングメールとの違いについて詳しく学んでいきます

株式会社AO 吉川悠太

株式会社AO 吉川悠太

岡山県生まれ。一橋大学を卒業後、株式会社ツムラに入社。10年間、営業・Web集客・AI開発を経験。2024年、EC制作・集客の株式会社AOを創業。

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