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立ち上げ前に決めておくべきKPI(重要業績評価指標)の設定方法

KPIの前に理解するべき「KGI」と「KSF」

ECサイトを立ち上げるぞ、と意気込んでいるあなた。「目標は?」と聞かれて、「とにかく売上を上げることです!」と答えていませんか?もちろんそれは正解ですが、それだけでは、日々の業務で何をすべきかという具体的な行動に落とし込むことができません。

航海図を持たずに大海原へ出るような無謀な船出をしないために、まず「KGI」「KSF」「KPI」という3つの指標の関係性を理解しましょう。これは、ECサイトという航海の成功を左右する、最も重要な羅針盤と地図になります。

KGI(重要目標達成指標):山頂に掲げる最終ゴール

KGI (Key Goal Indicator) とは、あなたのECサイトが最終的に目指す、最も重要な目標のことです。「何をもってこのプロジェクトは成功したと言えるのか」を定義する、たった一つの、あるいはごく少数の定量的な指標です。
例:「初年度のECサイト経由の売上高を3,000万円にする」「年間で新規顧客を5,000人獲得する」
※BtoB ECの場合は、「Web経由での見積もり依頼件数」や「新規会員登録企業数」がKGIになることもあります。

KSF(重要成功要因):山頂へ至る登山ルート

KSF (Key Success Factor) とは、そのKGIを達成するために、成功の鍵となる要因は何かを突き詰めたものです。いわば、山頂(KGI)へたどり着くための最も確実な登山ルート(戦略)にあたります。
例:「(売上3,000万円を達成するためには)リピート購入してくれる優良顧客の育成が不可欠だ」「まずはブランドの認知度を高め、新規顧客の流入を増やすことが最優先だ」

KPI(重要業績評価指標):現在地を示す高度計

KPI (Key Performance Indicator) とは、定めた登山ルート(KSF)を正しく進めているか、その進捗を日々チェックするための具体的な中間指標です。定期的に観測することで、計画が順調か、あるいは何か問題が起きているかを早期に発見できます。
例:「(優良顧客育成のために)リピート率を毎月30%に維持する」「(新規流入増のために)広告からの顧客獲得単価(CPA)を5,000円以下に抑える」

この「KGI → KSF → KPI」という流れで目標をブレイクダウンしていくことが、ECサイト運営の根幹をなす考え方です。


【フレームワーク】KPIツリーで目標を分解する

KGIと日々の行動を結びつけるための強力なフレームワークが「KPIツリー」です。これは、最終目標であるKGIを頂点に置き、それを構成する要素(KPI)へと分解していく思考法です。

なぜKPIツリーが必要なのか?

  • 最終目標(売上)と日々の行動(例:SNS投稿)が、どのように繋がっているのかを可視化できます。
  • チーム内で「なぜこの業務が必要なのか」という目的意識を共有でき、モチベーションが向上します。
  • 売上が目標に届かない時、ツリーのどの部分(例:訪問者数が足りないのか、購入率が低いのか)がボトルネックになっているのかを特定しやすくなります。

ECサイトの売上を分解してみよう

ECサイトの売上は、有名な公式「売上 = サイト訪問者数 × 購入率(CVR) × 顧客単価(AOV)」に分解できます。これがKPIツリーの第一階層になります。さらに、それぞれの要素を分解していきましょう。

売上(KGI)サイト訪問者数
│  ├ 新規訪問者数
│  │  ├ 自然検索(SEO)
│  │  ├ Web広告
│  │  ├ SNS
│  │  └ その他(メルマガ、紹介など)
│  └ 再訪問者数(リピーター)
│
├ 購入率(CVR)
│  ├ 直帰率
│  ├ カート投入率
│  └ カゴ落ち率
│
└ 顧客単価(AOV)
├ 1回あたりの購入点数
└ 1商品あたりの平均価格

このように分解することで、「売上を上げる」という漠然とした目標が、「まずは自然検索からの新規訪問者を月間1万人増やす」「カゴ落ち率を5%改善する」といった、具体的なアクションに繋がるKPIへと落とし込まれていきます。


ECサイトのフェーズ別・KPI設定の具体例

ECサイトは、その成長段階によって目的や課題が異なります。そのため、見るべきKPIも変化させていく必要があります。

フェーズ1:立ち上げ期(オープン〜約3ヶ月)

  • 目的:まずはサイトの存在を知ってもらい、最初の購入を生み出す。赤字でもOK。
  • 最重要KPI:
    • サイト訪問者数(セッション数):どれだけの人がお店を訪れたか。(Google Analyticsの「セッション」)
    • 新規顧客獲得数:最初のお客様が何人生まれたか。(Google Analyticsの「コンバージョン」)
    • CPA(顧客獲得単価):

フェーズ2:成長期(約3ヶ月〜1年)

  • 目的:事業を黒字化させ、リピーターを育成する。
  • 最重要KPI:
    • CVR(購入率):訪れた人のうち、何%が購入してくれたか。(Google Analyticsの「eコマースのコンバージョン率」)
    • ROI/ROAS(投資対効果):かけた費用に対して、どれだけの利益や売上があったか。
    • リピート率:一度購入した顧客が、再度購入してくれる割合。

フェーズ3:成熟期(1年〜)

  • 目的:優良顧客(ファン)を育成し、LTV(顧客生涯価値)を最大化する。
  • 最重要KPI:
    • LTV(顧客生涯価値):一人の顧客が、取引期間中にどれだけの利益をもたらしてくれるか。
    • 顧客推奨度(NPS®など):
    • 年間購入回数/年間購入単価:

良いKPIを設定するための「SMART」モデル

設定したKPIが有効に機能するかどうかを判断するために、「SMART」というフレームワークが役立ちます。良いKPIは、以下の5つの要素を満たしている必要があります。

  • Specific(具体的か):誰が読んでも同じ解釈ができる、明確な内容か。
  • Measurable(測定可能か):客観的に数値を計測できるか。
  • Achievable(達成可能か):現実的に達成できる範囲の目標か。
  • Relevant(関連性があるか):最終目標(KGI)の達成に、本当に関連しているか。
  • Time-bound(期限が明確か):

例:「売上を上げる」→「(S)Web広告経由の新規顧客売上を、(M)100万円に増やす。(A)現状50万円なので、広告予算を増やせば可能だ。(R)これはKGIである年間売上3000万円に直結する。(T)次の四半期(3ヶ月間)で達成する」

KPI設定で失敗しないための3つの注意点

注意点1:見栄えの良い「虚栄の指標」に踊わされない

PV(ページビュー)数やサイト滞在時間、SNSの「いいね!」の数などは、一見するとサイトが賑わっているように見えるため「虚栄の指標」と呼ばれます。これらの数値が増えても、必ずしも売上(KGI)に直結するとは限りません。本当に見るべきは、売上に繋がるKPI(CVRや客単価など)であることを忘れないでください。

注意点2:コントロール不可能な指標をKPIにしない

「競合サイトの売上」や「業界全体の市場規模」など、自分たちの努力ではコントロールできない数値をKPIに設定しても、日々の行動には繋がりません。KPIは、自分たちのアクションによって変化させられる指標でなければなりません。

注意点3:設定して終わり、にしない

KPIは設定することがゴールではありません。最も重要なのは、定期的に(週次や月次で)実績を計測し、目標との差分を確認し、「なぜ差が生まれたのか?」「次はどう改善するか?」というPDCAサイクルを回すことです。その繰り返しが、ECサイトを成長へと導きます。

まとめ

ECサイトの立ち上げ前にKPIを設定することは、成功という名の山頂を目指すための、詳細で信頼性の高い「航海図」を作成する作業です。最終ゴールであるKGIから逆算して、日々の進捗を確認するためのチェックポイント(KPI)をマッピングすることで、あなたとあなたのチームは、日々の業務に追われることなく、自信を持って目的地へと進むことができます。

最初から完璧なKPIを設定する必要はありません。まずは「売上 = 訪問者数 × 購入率 × 顧客単価」という基本のKPIツリーを、あなたのビジネスに当てはめて書き出してみることから始めてみましょう。その一枚の図が、あなたのECサイトの未来を照らす、確かな光となるはずです。

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