「顧客管理」機能の基本
ECサイト運営において、新規顧客の獲得と同じくらい重要なのが、一度購入してくれたお客様との関係を育み、リピーターになってもらうことです。Shopifyの「顧客管理」機能は、そのための強力なデータベースであり、マーケティングの起点となります。
顧客情報が自動で蓄積
お客様があなたのストアで商品を購入したり、会員登録やメールマガジン登録を行ったりすると、その顧客情報(氏名、連絡先、住所、注文履歴など)は、管理画面の「顧客管理」に自動で蓄積されていきます。このリストこそ、あなたのビジネスにとって最も価値のある資産の一つです。
顧客プロフィールの見方
「顧客管理」画面で顧客の名前をクリックすると、そのお客様個人の詳細なプロフィールページが表示されます。ここでは、連絡先情報はもちろん、これまでの全注文履歴、購入総額、訪問回数といった、そのお客様とのすべての関わりを時系列で確認することができます。
手動での顧客追加と編集
オンラインでの購入客だけでなく、電話注文や対面販売で得た顧客情報を、手動で追加することも可能です。「顧客を追加する」ボタンから、新しいプロフィールを作成します。また、お客様から住所変更の連絡があった場合なども、この画面から情報を簡単に編集・更新できます。
顧客セグメントの作成方法
顧客リストが大きくなってきたら、次に行うべきが「セグメント分け」です。これは、顧客リストの中から特定の条件に合うグループを抽出し、ターゲットを絞ったアプローチを可能にする、非常に重要なマーケティング手法です。
セグメントとは?
セグメントとは、顧客リストを特定の条件で絞り込んだ「動的なグループ」のことです。例えるなら、「優良顧客」や「特定商品Aの購入者」といった条件を付けた”スマートフォルダ”のようなもの。一度セグメントを作成すれば、その条件に合う顧客がリストに自動で追加・更新され続けます。
テンプレートから簡単作成
Shopifyには、よく使われるセグメントがあらかじめ「テンプレート」として用意されています。顧客リストの上部にある検索・絞り込みボックスをクリックすると、「購入金額が高いお客様」や「リピート購入のお客様」といったテンプレートが表示され、ワンクリックで簡単に強力な顧客リストを作成できます。
フィルタを使った詳細な条件
より詳細な条件で顧客を絞り込みたい場合は、「フィルタ」機能を使います。「注文数」「購入した商品」「所在地(都道府県)」など、数十種類の項目を組み合わせることで、「東京都在住で、かつ、これまでに2回以上購入したお客様」といった、非常に細かいターゲティングが可能です。
具体的なセグメントの活用例
作成したセグメントは、どのようにビジネスに活かせばよいのでしょうか。ここでは、具体的なセグメントの作成例と、それに対応したマーケティングアクションをご紹介します。
優良顧客(リピーター)
【作成条件】「これまでの注文件数が2以上」
ストアを何度も利用してくれる、最も大切な優良顧客のリストです。このセグメントのお客様だけに、新商品の先行案内を送ったり、特別な感謝クーポンを配布したりすることで、顧客ロイヤルティをさらに高めることができます。
特定の商品を購入した顧客
【作成条件】「購入した商品が(商品A)に等しい」
特定の商品を購入したお客様のリストです。例えば、カメラを購入したお客様のセグメントを作成し、後日、そのカメラに対応する交換レンズやアクセサリーの入荷案内を送る、といったクロスセル戦略に活用できます。
メルマガ未登録の顧客
【作成条件】「メールマガジンの登録が承諾されていません」
商品を購入してくれたにもかかわらず、まだメールマガジンに登録していないお客様のリストです。このセグメントのお客様に対し、Shopify Emailなどを使って「お得な情報をお届けしますので、ぜひメールマガジンにご登録ください」と、一度だけ案内のメールを送るといった活用が考えられます。
まとめ
Shopifyの顧客管理機能は、単なる連絡先リストではありません。それは、お客様一人ひとりを深く理解し、適切なコミュニケーションを行うための強力なマーケティングツールです。特に「セグメント」機能を使いこなすことで、すべてのお客様に同じメッセージを送る画一的なアプローチから脱却し、顧客グループごとに最適化された、心に響くマーケティングが実現できます。まずはテンプレート機能を活用し、あなたのストアにどんなお客様がいるのかを分析することから始めてみましょう。
























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