「下書き注文」機能とは?
ECサイトを運営していても、すべての注文がオンラインのカートから行われるとは限りません。常連のお客様からの電話注文や、イベントでの対面販売など、オフラインでの受注も重要な販売チャネルです。Shopifyの「下書き注文」は、こうしたオンライン以外の注文を管理するための機能です。
管理者が作る「未来の注文」
下書き注文とは、事業者(ストアの管理者)が、お客様に代わって管理画面上で作成する注文のことです。通常の注文がお客様のアクションによって作られるのに対し、下書き注文は事業者が起点となります。商品、顧客情報、割引、送料などを自由に設定し、注文の「下書き」を作成できます。
すべての売上を一元管理
下書き注文機能を使う最大のメリットは、電話やメールで受けた注文も、ECサイトの売上と合わせてShopify上で一元管理できる点です。これにより、売上データが分散することなく、正確な在庫管理と売上分析が可能になります。手書きのメモや別のExcelファイルで管理する必要は、もうありません。
Shopify POSとの違い
対面販売の機能として「Shopify POS」もありますが、役割が異なります。Shopify POSは、お客様がその場にいて、すぐに決済を行うリアルタイムの対面販売に使います。一方、下書き注文は、お客様がその場にいない電話注文や、後で決済してもらうBtoB取引などに使います。
下書き注文の主な活用シーン
下書き注文機能は、非常に柔軟性が高く、様々なビジネスシーンで活躍します。ここでは、代表的な3つの活用シーンをご紹介します。
電話やメールでの注文受付
これが最も一般的な活用法です。お客様から電話やメールで注文を受けたら、その内容を元に管理画面で下書き注文を作成します。後述する「請求書」をメールで送れば、お客様はリンクからオンラインで安全にクレジットカード決済ができ、事業者側でのカード番号の聞き取りも不要です。
BtoB取引や卸売の見積書
法人向けの卸売取引などで、見積書(請求書)としても活用できます。取引先ごとに異なる価格や数量で下書き注文を作成し、「請求書を送信」機能を使えば、メールで見積書兼決済依頼を送ることができます。取引の記録がShopify内に残るため、管理もスムーズです。
特別なディスカウントの適用
特定のお客様だけに、特別な割引を提供したい場合にも役立ちます。下書き注文では、サイト上にはない、その注文限りの割引(〇〇円引き、〇〇%オフなど)を自由に設定できます。これにより、柔軟な価格交渉や、お得意様への限定オファーが可能になります。
作成から決済までの基本フロー
下書き注文の作成から、お客様に決済してもらうまでの流れは、非常にシンプルで直感的です。基本的な3つのステップを見ていきましょう。
① 注文を作成し商品を追加
管理画面の「注文管理」へ進み、画面右上の「注文を作成する」ボタンをクリックします。下書き注文の作成画面が開くので、まずは販売する商品を検索して追加します。数量の変更や、カスタム商品の追加もこの画面で行えます。
② 顧客情報と送料を設定
次にお客様の情報を設定します。既存の顧客を検索して紐付けるか、新しい顧客情報をその場で入力します。そして、配送が必要な場合は送料を手動で追加します。特別なディスカウントを適用するのもこの段階です。
③ 請求書をメールで送信
すべての情報入力が完了したら、「請求書を送信」ボタンをクリックします。お客様のメールアドレス宛に、注文内容が記載された請求書メールが送信されます。お客様はそのメール内のリンクから決済画面に進み、クレジットカードなどで支払いを完了させることができます。
まとめ
Shopifyの「下書き注文」機能は、オンラインの枠を超え、あらゆる販売機会をShopifyのシステムに統合するための、強力なハブ機能です。電話やメール、対面での受注といったオフラインの売上も、ECサイトの売上と一元管理することで、在庫や売上データの正確性が飛躍的に向上します。この機能を使いこなすことで、よりプロフェッショナルな顧客対応と、効率的なバックオフィス業務を実現できるでしょう。
























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