結論:ベーシックプランが最適
ECサイトの立ち上げ期や、月商が500万円に満たない段階の事業者にとって、どのShopifyプランを選ぶべきか。結論から言うと、ほとんどの場合で「ベーシック」プランが最もコストパフォーマンスに優れた最適な選択です。その理由を、コストと機能の両面から解説します。
月額料金のインパクト
事業の立ち上げ期において、固定費はできるだけ抑えたいものです。ベーシックプランの月額料金は4,850円と、スタンダードプラン(13,500円)に比べて約8,650円も安く設定されています。この差額を広告費や商品開発に回せることは、事業の成長にとって大きなメリットとなります。
手数料率の差はまだ小さい
上位プランほどクレジットカード手数料率が安くなりますが、月商500万円の時点でも、その差額はまだ月額料金の差を埋めるほど大きくはありません。売上規模が小さい段階では、手数料率のわずかな差よりも、月額固定費の安さがトータルコストに与える影響の方が大きいのです。
機能的にも十分なスペック
ベーシックプランはエントリー向けですが、ECサイト運営に必要な基本機能はすべて網羅しています。商品登録数に上限はなく、ブログ機能やディスカウント機能なども標準で利用可能です。月商500万円規模のビジネスを運営する上で、機能的に不足を感じる場面はほとんどないでしょう。
コストパフォーマンスを徹底検証
実際に、月商が100万円、300万円、500万円の場合で、ベーシックプランとスタンダードプランの月額総コスト(月額料金+クレジットカード手数料)がどのくらい変わるのかをシミュレーションしてみましょう。
月商100万円の場合
売上が月100万円の場合の総コストは以下のようになります。
- ベーシック:4,850円 + (100万円 × 3.55%) = 40,350円
- スタンダード:13,500円 + (100万円 × 3.4%) = 47,500円
この段階では、ベーシックプランの方が7,150円安くなります。
月商300万円の場合
売上が月300万円まで成長した場合を見てみましょう。
- ベーシック:4,850円 + (300万円 × 3.55%) = 111,350円
- スタンダード:13,500円 + (300万円 × 3.4%) = 115,500円
まだベーシックプランの方が4,150円安く、優位性は変わりません。
月商500万円の場合
目標とする月商500万円を達成した場合でも、コストの差は残ります。
- ベーシック:4,850円 + (500万円 × 3.55%) = 182,350円
- スタンダード:13,500円 + (500万円 × 3.4%) = 183,500円
依然としてベーシックプランの方が1,150円安く、コスト面での合理性があります。
アップグレードを検討するタイミング
では、どのタイミングでスタンダードプランへのアップグレードを検討すればよいのでしょうか。判断基準となる3つの明確なタイミングが存在します。
損益分岐点を超える時
コスト面でのアップグレードのタイミングは、手数料の削減額が月額料金の差額を上回る「損益分岐点」です。計算上、月商が約580万円を超えると、スタンダードプランの方がトータルコストが安くなります。売上がこの水準に安定的に達したら、アップグレードを検討しましょう。
スタッフが3人以上になった時
機能面でのアップグレードのタイミングの一つが、スタッフの人数です。ベーシックプランのスタッフアカウントは2つまでです。受注管理や顧客対応などで3人以上のスタッフが管理画面を操作する必要が出てきたら、5つのアカウントが使えるスタンダードプランへの移行が適切です。
詳細な販売分析が必要な時
ベーシックプランのレポート機能は基本的なものに限られます。「どの流入元からの売上が多いか」「リピート顧客の動向はどうか」といった、より詳細なデータ分析に基づいてマーケティング戦略を立てたいと考え始めたら、標準レポートが使えるスタンダードプランが強力な武器になります。
まとめ
ShopifyでECサイトを始める際、月商500万円を目指すフェーズにおいては、迷わず「ベーシック」プランを選ぶのが最も賢明な選択です。まずは月額固定費を最小限に抑え、浮いた資金を広告や商品開発に投資し、ビジネスの成長に集中しましょう。そして、売上が損益分岐点を超えるか、運営体制の拡大が必要になった時に、初めてスタンダードプランへのアップグレードを検討すれば良いのです。Shopifyのプラン変更はいつでも簡単に行えるため、リスクなくスモールスタートを切ることができます。









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