ECサイト構築に関わる初期費用
ECサイトを開業する上で、まず必要となるのがサイト自体を準備するための費用です。どのような形態のサイトを作るかによって、費用は無料から数百万円まで大きく変動します。ここでは、サイト構築に関連する代表的な初期費用を解説します。
サイト制作費（プラットフォーム）
最も大きな割合を占める費用です。BASEやSTORESのような無料から始められるASPカート、カスタマイズ性の高いShopify、本格的なEC-CUBEやフルスクラッチ開発など選択肢は様々。デザインテンプレートの購入や、制作会社に依頼する場合はその費用もここに含まれます。
必要な機材やツールの導入費
サイト運営には、パソコンやインターネット環境が不可欠です。また、商品の魅力を伝えるためのカメラや撮影機材、画像を編集するためのソフトウェア（Adobe Creative Cloudなど）も必要に応じて初期投資が必要となります。
法人設立や許認可の取得費
個人事業主として始めるか、法人を設立するかで費用は変わります。法人設立の場合は、定款認証や登記費用で数十万円が必要です。また、中古品を扱うなら「古物商許可」、食品なら「食品衛生責任者」など、商材に応じた許認可の取得費用も見積もっておきましょう。
商品販売に関わる初期費用
サイトという「お店」の箱ができたら、次はその中身である「商品」を準備するための費用が必要です。自社で商品を企画・製造するのか、他社から仕入れるのかによって、費用の内訳は大きく異なります。
商品の仕入れ費用
セレクトショップのように商品を他社から仕入れて販売する場合、最初に在庫として確保するための仕入れ費用がかかります。取引先や商材によりますが、事業の根幹となる重要な初期投資です。キャッシュフローを圧迫しないよう、慎重な計画が求められます。
オリジナル商品の開発・製造費
自社ブランド（D2C）で商品を展開する場合、企画・デザインから製造委託（OEM/ODM）までの一連の費用が発生します。試作品の製作費や、生産するための最低ロット数に応じた製造費など、まとまった資金が必要になることが一般的です。
商品撮影やコンテンツ制作費
オンラインで商品を販売する上で、写真や説明文のクオリティは売上を大きく左右します。プロのカメラマンやライターに依頼する場合はその外注費が、自社で行う場合でも撮影スタジオのレンタル代や小道具代などが発生します。
開業後の運営に必要な運転資金
サイトがオープンし、商品が並んだらゴールではありません。事業を継続し、成長させていくためには、毎月発生する「運転資金」を確保しておくことが極めて重要です。開業資金とは別に、必ず用意しておきましょう。
サイトの月額利用料・手数料
利用するプラットフォームに応じた月額システム利用料や、商品が売れるたびに発生する決済手数料、販売手数料などがあります。無料プランでも、売上が上がれば手数料は必ず発生するため、事前に料率をしっかり確認しておくことが大切です。
広告宣伝費や販促費用
オープンしただけでは、お客様は訪れてくれません。リスティング広告やSNS広告、インフルエンサーへの依頼など、サイトに集客するための広告宣伝費は不可欠です。また、セールやキャンペーンを実施するための原資も、販促費として計画に含めておきましょう。
人件費やオフィス・倉庫の家賃
スタッフを雇用する場合はもちろん、自分一人で運営する場合でも、生活費を含めた役員報酬を人件費として計上します。また、自宅以外にオフィスや商品を保管する倉庫を借りる場合は、その家賃や水道光熱費も毎月の固定費として発生します。
まとめ：余裕を持った資金計画を
ECサイトの開業には、サイト制作や商品準備のための「初期費用」と、開業後に事業を回していくための「運転資金」の両方が必要です。特に見落としがちなのが運転資金で、売上が安定するまでの期間を乗り切るため、最低でも3ヶ月分、できれば半年分を準備しておくのが理想です。この記事で紹介した内訳を参考に、抜け漏れのない現実的な資金計画を立て、あなたの夢であるECサイト開業への確実な一歩を踏み出してください。
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