起業1年目にとって、「何を打ち出せば人が集まるのか」は永遠のテーマです。第4章では、見込み客の心をつかむコンセプトの作り方を解説します。まずはシンプルなチラシ作成から始め、自分だけの“ウリ”を明確にし、お客様の声を取り入れながら、最小限の情報で最大の効果を発揮する提案を練り上げていくプロセスを7つのステップでご紹介します。
まずチラシを書いてみる
チラシ作りは、言葉をそぎ落とし、本当に伝えたい価値を明らかにする良いトレーニングです。紙媒体でなくても、A4用紙に手書きで構いません。以下のポイントに沿って書き出してみましょう。
- 見出し(キャッチコピー):ターゲットの悩みや欲求を短く刺激する
- サブヘッド:見出しを補足し、興味を深める一文
- ベネフィット:お客様が得られる成果や喜びを具体的に3つ程度
- 行動喚起(CTA):問い合わせ先や申し込み方法を明確に
手を動かすことで、頭の中にあった曖昧な“ウリ”を言語化でき、次のブラッシュアップがスムーズになります。
NO.1をウリにしない
「業界No.1」や「売上実績トップ」などの主張は誰でも真似ができるため、差別化にはなりません。お客様にとっての魅力は「他社との違い」です。そこで、以下の視点で自社の強みを再定義しましょう。
- 提供プロセス:どんな順序で、どのようにサポートするか
- 独自のノウハウ:長年培った経験や特定分野の専門知識
- サービス品質の証明:顧客インタビューや第三者の推薦
これらを組み合わせることで、「唯一無二」の価値を打ち出せます。
ウリをお客様に聞く
自己完結せず、実際にお客様に直接ヒアリングすることが何よりも確実です。アンケートやヒアリングシートを用いて、下記の質問を投げかけましょう。
- どのような背景でサービスを検討されたのか
- 実際に利用してみて、どんな点に最も満足されたか
- ほかの選択肢ではなく、自社を選んだ理由
得られた生の声をもとに、見出しやベネフィットを磨き込むと、説得力が飛躍的に向上します。
どうしたら買ってくれるかを聞く
購買意思決定のハードルはお客様によって異なります。価格、期間、提供形態(対面・オンライン)、保証制度など、具体的に何が決め手になるのかを質問し、以下のように整理します。
- 価格ライン:手頃だと感じる価格帯はどこか
- 付帯サービス:無料サポートや返金保証の有無で安心感は変わるか
- 申込プロセス:申し込みの煩雑さがネックにならないか
これらをコンセプトの一部として組み込むことで、「申し込みたい」と思わせる提案が可能になります。
詳しいことは後で言う
初めの接触では情報を絞り込み、シンプルかつ興味を引くことが最優先です。詳細な機能説明や料金表、長文のセールスコピーは、次のステップで提供しましょう。
- 第一接点:キャッチコピー+ベネフィット(情報量を最小化)
- 第二接点:詳細なサービス概要や事例紹介(資料ダウンロードや個別相談)
- 第三接点:契約条件や価格比較表
情報を段階的に開示することで、お客様の意欲を段階的に高め、最後まで読み進めてもらう確率が上がります。
人が集まる魅力的な提案を作る
最後に、上記の要素をまとめて「魅力的な提案」を完成させます。チェックリスト形式で最終確認しましょう。
- キャッチコピーだけで興味を引けるか
- ベネフィットは具体的かつお客様視点になっているか
- 社会的証明(実績、口コミ、第三者推薦)が盛り込まれているか
- CTAは一目で分かりやすく、行動しやすいフォーマットか
- 情報開示のタイミングが段階的に設計されているか
このチェックをクリアできたら、いよいよWebページやSNS告知、チラシなどに展開してみましょう。反応を見ながら、文言やデザインを微調整し、最適化サイクルを回すことが、集客コンセプトをさらに強固にします。
本章で解説した7つのステップを踏むことで、起業1年目の個人経営者の方でも、「自分ならではのコンセプト」をブレなく打ち出し、集客につなげることができます。次章では、計画的に施策を実行するための「集客プラン」について詳しく解説します。どうぞお楽しみに。
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